野外活動

栃木県足利市の「田崎草雲美術館」へ行こう!

草雲『四季山水図』(春)の写真です。

足利観光スポット!の一つ、「草雲美術館」は、桜の名所である足利公園のお隣にあります。

田崎草雲(たざきそううん)は、幕末から明治にかけて活躍した旧足利藩士、南画家(1815~1898)です。

「そう言えば、足利学校にも、田崎草雲の名前があったよね」

(足利学校の書籍の保存や学校存続に多大の貢献を果たしました)

「そうそう、足利商工会議所内の〈まち歩きミュージアム〉でも1番目に紹介されてたよ」

「でも、美術館はどこにあるの?」

「渡良瀬橋ブログ」に訪れてくれたあなたに、「草雲美術館」の魅力を御案内します。

* 当ブログ内の写真は、すべて掲載許諾済みです。

【草雲美術館の基本情報】

草雲美術館:長島喜一 画の写真です。草雲美術館:長島喜一 画

絵はがき集『足利スケッチ散策』のお求めは、プロフィールを御覧ください。

所在地 〒326-0816 足利市緑町2丁目3768番地
電 話 0284-21-3808
開館時間
休館日
午前9時~午後4時
毎週月曜日(祝日の場合その翌日)
年末年始(12月29日~1月3日)
その他(館内整理日)
入館料
*特別展示期間中は、無料
個人(一般・高校生)210円
団体(20名以上)  160円
中学生以下     無料
アクセス 北関東自動車道 足利ICから約20分
太田桐生ICから約20分
東北自動車道 佐野藤岡ICから約30分
東武伊勢崎線足利市駅から約2.5km 徒歩約35分
JR足利駅から約3km 徒歩約45分
画室・茶室 画室・茶室の御利用は、公式HPでも御確認ください。
駐車場 草雲美術館駐車場 乗用車:約10台
足利公園駐車場 乗用車:約10台
大型バスは、事前にお問い合わせを。
草雲美術館:観覧券の写真です。草雲美術館:観覧券

*駅から徒歩や、レンタサイクルでお越しの際は、
足利観光スポット!「渡良瀬橋」⇒「八雲神社」
⇒「草雲美術館」徒歩ルートを御覧ください。

【草雲美術館『四季山水図』特別展示】

草雲美術館特別展示のポスターの写真です。草雲美術館特別展示のポスター

<草雲美術館特別展示・入場無料>円熟期の最高傑作
『四季山水図』初公開

◎2021年10月22日(金)~24日(日)
◎午前10時~午後4時

主祭:画聖草雲会
後援:足利市教育委員会

[四季山水図 田崎 草雲(そううん)]

田崎草雲「四季山水図」の写真です。田崎草雲『四季山水図』

田崎草雲円熟期の傑作「四季山水図」が>足利市で初公開されました。
(2021.10.22~10.24)

「四季山水図」は、今年の初め、栃木県立美術館で開かれた企画展「栃木県における南画の潮流」に出展されました。

このほど、所有する画商が、200万円で購入者を募っていたことで、「画聖草雲会」の亀田浩三(かめだこうぞう)会長(74)らが即決購入しました。

<草雲『四季山水図』(春)>

草雲『四季山水図』(春)の写真です。草雲『四季山水図』(春)

四季山水図(春)楳花書屋(ばいかしょおく)図

「楳花書屋」とは、梅の花が咲く春の書屋(書斎)を高士(志の高い人など)が訪問する場面を描いた作品です。

「於蓮岱画屋(おいてれんだいがおく)草雲」の落款(らっかん=記名など)があり、その下に「艸云」の朱文ひょうたん形印、並びに「甘踏虎尾」の白文方印が押されており、明治15年におこなわれた第一回内国絵画共進会で銀印を受賞した以降の作品であることがわかります。

書屋の前にある松の見事な枝ぶり、盛り上がるような岩山の表現、遠方の川や山の描き方など、墨の濃淡を駆使して見事に描かれています。

<草雲『四季山水図』(夏)>

草雲「四季山水図」(夏)の写真です。草雲『四季山水図』(夏)

四季山水図(夏)高士観爆(こうしかんばく)図

「高士観爆」とは、夏の山中にある書屋から高士が滝をながめている場面を描いた絵画です。「倣清人之筆意 草雲」の落款があり、中国清の時代の画家の描き方に倣ったとしており、江戸時代以来の絵画の描き方を踏襲したものです。

落款の左側に押された印は、「白石生」の朱文方印並びに「白石子」の朱文三連円印です。

山は陰影をつけて立体感を感じさせ、書屋奥に落ちる滝は墨を抜くことで表現し、周囲の山々との対比で見事な奥行が感じられます。

夏のさわやかさが伝わる絵画です。

<草雲『四季山水図』(秋)>

草雲『四季山水図』’秋)の写真です。草雲『四季山水図』’秋)

四季山水図(秋)白雲紅樹(はくうんこうじゅ)図

紅葉に染まる山中に高士がたたずみ、山間に白雲が立ち上る場面を描いた作品です。「写於白石山房 草雲生」の落款があり、白石山房において描いたものです。

落款の下には「艸雲仙史」の朱文方印並びに「足利浪人」の朱文方印が押印されています。

ゴツゴツした岩、沸き立つ白雲の生き生きとした表現に、新時代の南画として脱皮した草雲の真骨頂を感じることができます。

<草雲『四季山水図』(冬)>

草雲『四季山水図』(冬)の写真です。草雲『四季山水図』(冬)

四季山水図(冬)寒山行旅(かんざんこうりょ)図

「寒山行旅」図は、雪が降り積もった山中の書屋を高士が訪問する場面を描いた作品です。

「倣白石老人之筆意 草雲生」の落款があり、その下に「小洞賓」の白文方印並びに「幾箇師見是支天」の朱文方印が押されています。

雪をかぶった山の間の渓谷は、薄墨で奥行きを表現し、手前に雪をつけた木々を配することで、遠近が際立ちます。

雪山の静謐(せいひつ=静かで落ち着いていること)な空気が伝わってくるかのような絵画です。

四季の絵画それぞれ違う落款が書かれ、印が押されています。

[四季山水図 金井 烏州(うじゅう)]

烏州『四季山水図』の写真です。烏州『四季山水図』

金井烏州『四季山水図』です。

金井 烏州(うじゅう)1796(寛政8年)~1857(安政4年)

烏州は、上州佐位郡島村(現在の群馬県伊勢崎市境島村)に生まれました。

谷 文晁(ぶんちょう)(1763~1840)に師事し、草雲の遠縁にあたり、草雲の若い頃、画の手ほどきをしたと伝えられています。

画聖草雲会会長 亀田浩三氏は、「草雲の山水画との違いを見比べて楽しんでください。
>描き方、表現の仕方に、お互いの個性が感じられます」と述べています。

また、草雲と烏州の『四季山水図』の組み合わせは、本邦初と言っていい、貴重な組み合わせ、とも。

<烏州『四季山水図』(春)>

烏州『四季山水図』(春)の写真です。

<烏州『四季山水図』(夏)>

烏州『四季山水図』(夏)の写真です。

<烏州『四季山水図』(秋)>

烏州『四季山水図』(秋)の写真です。

<烏州『四季山水図』(冬)>

烏州『四季山水図』(冬)の写真です。

【草雲美術館 草雲の弟子たち

草雲の弟子たちの作品の写真です。草雲の弟子たちの作品

草雲の弟子、岸浪柳渓(きしなみりゅうけい)と小室翠雲(こむろすいうん)の作品です。

<柳渓『寒林牧童』>

柳渓『寒林牧童』の写真です。柳渓『寒林牧童』

岸浪柳渓(きしなみりゅうけい)1855(安政2年)~1935年(昭和10年)

柳渓は、江戸下谷豊住町に生まれ、後に群馬県館林市に移り、田崎草雲・福島柳圃
を師として南画を学びました。

小室翠雲とは兄弟弟子で、日本南宗画会の会員審査員などを勤めました。

正統派の南画を継承した「秋景山水」です。

柳渓78歳の作品ですので、亡くなる2年前の画です。落ち着いて、穏やかな筆捌きが老成
な感じを受けます。

作品は、実にしっかりした隙(すき)のない絵です。

大正・昭和期に最後の南画家ともいえる忠実な山水画を描き、性格の律儀さと優しさがそのまま絵に顕れています。

亀田浩三 明治・日本画の巨匠『田崎草雲』-人物と業績-随想舎 より

<翠雲『秋景山水図』>

翠雲『秋景山水図』の写真です。翠雲『秋景山水図』(1911:明治44年 作)

小室翠雲(こむろすいうん)1974(明治6年)~1945(昭和20年)

翠雲は、群馬県館林市の生まれで、名は、貞次郎、晩年「長興山人」と号しました。

柳渓と同じく、田崎草雲・福島柳圃に師事します。

日本南画院の中心として活躍し、大正・昭和と日本南画を代表しました。

昭和19年(1944)最後の帝室技芸員となり、奇しくも師の草雲とは、最初と最後の帝室技芸員となったのでした。

【田崎草雲 書籍の御案内】

書籍「田崎草雲」の写真です。明治・日本画の巨匠「田崎草雲」-人物と業績-随想舎 [定価]本体1,300円+税

画聖草雲会会長 亀田 浩三 著

今回の特別展示におきまして、亀田浩三会長による、丁寧な御案内をいただきました。

亀田会長は、足利市旭町で、「珈琲 蔵」「焼きたてパン工房 蔵」のオーナーでもあります。

《元治元年(1864)に建てられた蔵です。

ゆったりとコーヒータイムを、おすごしください》

明治・日本画の巨匠「田崎草雲」-人物と業績-は、田崎草雲の画業や人となり、画聖草雲が目指したものなど、広い視点に立った専門的でありながら、なお、わかりやすく解説されている書籍です。

亀田浩三氏の著書とクリアファイルの写真です。亀田浩三氏の著書とクリアファイル

「珈琲 蔵」の店内では、田崎草雲に関するいろいろなグッズが販売されています。

写真の『織姫』は、クリアファイル(1枚:300円)です。

また、喫茶店(歴史ある蔵)の2階には、草雲の作品や、文献などを拝見することもできます。

足利市内に在住の皆さんはもとより、足利の観光の折に、ぜひ、御来店ください。

【白石山房 草雲の居宅と庭園】

草雲の居宅の写真です。
田崎草雲の居宅
足利市重要文化財(史跡)「白石山房」(はくせきさんぼう)面積4,136㎡
昭和44年3月31日 指定

白石山房:居宅前の写真です。白石山房:居宅前

 

白石山房:居宅の写真です。白石山房:居宅

草雲居宅(庭園を含む)は、田崎草雲が明治6年に「蓮台寺」跡を買い求め、明治11年、
64歳のとき家屋の完成をみました。

居室を「現田農舎」(げんでんのうしゃ)といい、2階を画室に使用していましたが、晩年になってから、階段の昇降の不自由さを感じたので、東側に平屋建ての画室をつくり、ここを蓮台画室と称しました。

アトリエは、木造ワラぶき二階建てで、階上(十畳と六畳)を画室として使っていました。

草雲 蓮台画室の写真です。蓮台画室

明治31年、84歳で没するまでの作品の大部分が、蓮台画室で描かれました。

蓮台画室の写真です。蓮台画室

画室は、皇居の御杉戸=四図八枚=を描くため、居宅の東側に(平屋建て)増築されました。

門の扁額「白石山房」の写真です。門の扁額「白石山房」

なお、白石山房の白石とは、草雲出自のとき、母が白い碁石を飲む夢を見て、その吉兆に因むものといわれています。

足利市教育委員会

草雲のアトリエ「白石山房」は、明治6年から工事が進められ、同11年、草雲が64歳の時に完成しました。

草雲が、瑞白と名乗ったり、白石子、三白翁の雅号を使ったり、アトリエに白石の名を冠したのは、草雲の母ます・・から、自分の出生について聞かされていたためでしょう。

草雲 白石山房「茶室」の写真です。白石山房「茶室」

 

白石山房:茶室の写真です。白石山房:茶室

 

庭園内の東屋の写真です。庭園内の東屋

<画室と茶室の利用案内>

使用時間 午前9時から午後4時まで
*草雲美術館開館日の限ります。
 料 金
使用料 画室 午前9時から正午まで
午後1時から午後4時まで
2,420円
3,300円
 〃  茶室 午前9時から正午まで
午後1時から午後4時まで
1,650円
2,420円
お申し込み・
お問い合わせ
草雲美術館
足利市緑町2丁目3768番地
TEL/FAX 0284-21-3808
Eメール: souun@rhythm.ocn.jp
〃 足利市教育委員会事務局・文化課 足利市本城3丁目2145番地
TEL 0284-20-2230
FAX 0284-21-1005
Eメール:bunka@city.ashikaga.tochigi.jp

<白石山房:居宅北庭園>

居宅北庭園の稲荷社の写真です。居宅北庭園の稲荷社

 

白石山房北庭園:祠の写真です。白石山房北庭園:祠

居宅の北側の庭園に、稲荷社と祠があります。

稲荷社の北側を流れる用水路の写真です。稲荷社の北側を流れる用水路

白石山房は蓮台寺山にあり、稲荷社から眼下に、渡良瀬川から水を引いている用水路が見えます。

この用水路が、逆川で有名な「柳原用水」となります。

<阿部茶村(あべちゃそん)の碑>

阿部茶村の碑の写真です。阿部茶村の碑

阿部t茶村(1830~1903)は、田崎草雲の門人として、45年間仕えた人物です。享年73歳でした。

碑文は、歌人の海上片片(うながみたねひら)の作です。本碑は、大正元年(1911)に制作されました。

亀田浩三『田崎草雲』によると、阿部茶村は、

草雲の弟子というほどの画力はありませんが、弟子というよりも、草雲の許を離れず、
気の置けない飲み友達、苦楽を共にして、草雲にとっての息抜きのような人物。

と記しており、草雲にとって、かけがえのない人物の一人だったことを物語っています。

田崎草雲の墓の写真です。田崎草雲の墓 足利市「長林寺」

最後になりますが、特別展を鑑賞できたこと、心から感謝いたします。

画聖草雲会会長 亀田浩三氏をはじめ、関係者の皆様にお礼を申し上げ、本稿を終えます。

草雲美術館庭園の写真です。
草雲美術館庭園

草雲美術館の脇を走る電車の写真です。美術館の脇を走る電車

草雲美術館のすぐ南側は、JR両毛線です。

ほんの一瞬で通り過ぎてしまいますが、電車の車窓から見える蓮台寺山は趣があって、なんとなく落ち着く風景です。

水彩画:白石山房の柿の実の写真です。水彩画:白石山房の柿の実

足利の画家 川島直人 2019年12月

小さい秋 見~つけた 真っ赤なモミジは、もちろんキレイ それに負けないくらい可愛いのは・・・枝にしがみつく 朱色の柿・・・

川島直人 水彩画展 2022.11 より

足利市内の美術館については、
足利市の美術館5選:足利市立美術館、栗田美術館など【まとめ】を御覧ください。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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