栽培・飼育活動

家庭菜園 初心者おすすめ!【結球レタス】の育て方

レタスの写真です。

毎日、サラダで食べたいレタス。

ベランダのプランターや、庭で育てられたら、いつでも新鮮で美味しくいただけますよね。

まして、無農薬で栄養価も高いレタスづくりは、家庭菜園に適した野菜の一つです。

本稿では、レタスの種まきから収穫までの作業を御紹介します。

水耕栽培と異なり、土栽培のレタスは、栄養価が高いかわりに、少し苦みがありますが、
安心して利用できますので、ぜひお試しくださいね。

筆者紹介・家庭菜園クイズ

子どもたちといっしょに、38年間、自然観察や
農園芸などの環境教育活動に携わってきました。

本稿では農家の知識と技術を家庭菜園向きに応用し基本的な「野菜の育て方」について解説いたします。

【クイズ】 葉菜類の苗を育てるときに、一番注意すべき店はどれでしょう?

  • ● 種を密植気味にまく
    ● 種の選抜
    ● 適切に間引く
    ● 毎日液体肥料をかける

* 正解は、最後のページを御覧ください。

【レタスの育て方:基本情報】

レタスの種袋の写真です。レタスのパッケージ

レタス「フリフリッカー」は、結球レタスです。

なんとも可愛いネーミングですね。

[品種名] :結球性に優れ天候不順に強い
       耐病大玉レタス「フリフリッカー」
       サカタ育成 美咲シリーズ® 923575

[科・属名]:キク科 アキノノゲシ属

[原産地] :中近東内陸、小アジア
[生産地] :アメリカ

特 徴
尿器に強く、結球製に優れ、大玉で葉色の濃いおいしい結球レタスです。

外葉が多く、肉厚なため天候不順で発生する生理障害の発生が少ない品種です。

まき時:暖かい地域 1~2月
8~9月
  :寒い地域 4~5月
8月
収穫の目安 頭を軽く押してみて固さを感じるころ。
収穫部位 結球タイプ
数量 0.5ml
発芽率 85%以上
採苗本数(間引き前) 約120本
発芽までの日数 2~4日
発芽適温(地温) 15~20℃
生育適温 15~20℃

野菜の培養土、肥料等の詳細は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」を御覧ください

【レタスの育て方:栽培場所の選定と準備】

<レタス:栽培場所の選定>

土壌に対する適応性は広いですが、
乾燥に弱いので、保水力のある土壌を好みます。

連作は可能ですが、連作すると病害が増加しやすいため、1度作ったら2年は休ませましょう。

レタスは冷涼な気候を好み、よく生育し結球する温度は、15~20℃です。

レタスは高温長日下で花芽を形成するので、まく時期を誤るとトウ立ちして結球しません。

<レタス:栽培場所の準備>

<土壌酸度の調整>

有機石灰を散布した写真です。石灰を散布

レタスは酸性土や、やせ地を嫌うので、植え付け2周間前に1㎡あたり3握り(役150g)の
苦土石灰を散布します。

さらに、植え付けの1周間前に、堆肥を1㎡あたり約2kg、化成肥料(NPK:888)を1㎡あたり3握り(約150g)をまいて、地力を高めておきましょう。 

【レタスの育て方:種まきから育苗まで】

<レタス:種まき>

レタスの種まきの写真です。レタスの種まき(2022.9.21)

気温が、ようやく25度前後に落ち着いてきました。

苗箱に培養土を入れ、十分水をあげた後、レタスの種をまきました。

種の数が少量でしたので、ばらまき・・・・にしました。

<レタス:発芽>

レタスの発芽の写真です。レタスの発芽(2022.9.25)

種まき5日後のようすです。

まだ芽が小さいので、白の寒冷紗をかけて強い日差しから保護してやりましょう。

発芽したレタスの写真です。発芽したレタス(2022.9.28)

だんだんと生長するレタスです。

水やりを兼ねて、液体肥料(1、000倍液)をあげました。

できれば、活力液をスプレーすると、最適です。

もう少し、レタスの苗が大きくなったころ、純米酢の希釈液を与えると、レタスの葉がシャキッと元気になります。

(葉の薄いレタスにとって、純米酢の散布は、葉の細胞を活性化させ、強固にする働きがあります)

<レタス:鉢上げ>

レタス:発芽後の苗の写真です。発芽後の苗(2022.10.4)

種まき後、約2周間がたちました。

苗箱のレタスは、本葉も出てきて倒れ気味になってきました。

そこで、1本ずつビニールポットに鉢上げをしました。

レタスの苗は、まだ小さいので2号ポットを使用し、野菜の培養土に移植しました。

鉢上げしたレタスの写真です。鉢上げしたレタス

レタスの種袋には、「採苗本数(間引き前)約120本」とありますが、実際に鉢上げしたポット苗の数は、なんと170鉢を超えています。

<レタス:置き肥作業>

レタス:置き肥作業の写真です。レタス:置き肥作業(2022.10.8)

レタスの鉢上げを済ませて、4日がたちました。

根が活着して、本葉も元気になってきたので、玉肥を施しました。

玉肥は、各ポット(2号)に2粒ずつ、半分土に押し込むようにして施します。

置き肥する位置は、ポットの内側の縁に、苗から遠ざけて施すと、根の張りが促進されます。

置き肥は、土に埋め込む深さによって、肥効期間が異なり、深く埋めるほど速効性が高まり、肥効期間も短くなります。

置き肥作業を終えたレタスの写真です。置き肥作業を終えたレタス

置き肥作業を終えた後、HB-101の1,000倍液をスプレーで噴霧しました。

植物の移植、定植などの作業ごとにHB-101を散布しておくと安心です。

<レタス:ポット間隔の調整>

レタス:育苗ポットの間隔を調整した写真です。レタス:育苗ポット間隔の調整(2022.8.16)

レタスに限りませんが、育苗中の苗は次第に葉を伸ばし、隣の苗と重なり合ってしまいます。

そうすると、光合成が抑制されて、苗の生長を妨げてしまいます。

そこで、苗の生長にともない、ポットの間隔をだんだんと広げていき、どの苗にも十分な日光が当るように調整しましょう。

レタス:苗の間隔を広げた写真です。苗の間隔を調整したレタス(2022.10.16)

育苗ポットの間隔をあけて、葉と葉が重なり合わないように調整しました。

苗が生長するにしたがって、育苗スペースも広がってしまいますが、定植するまでの育苗作業のうち、大切な作業の一つです。

余談になりますが、レタスは他の野菜に比べて、苦みが強いためか、あまり虫に食害されません。

上の写真のように、ネギとネギの間で栽培すると、虫除けの効果が発揮されます。(コンパニオンプランツ)

<レタス:苗の定植>

生長したレタスの写真です。生長したレタス(2022.10.21)

市販苗として販売されている大きさまで生長し、本葉が4枚~5枚になりました。

レタスの定植作業の写真です。レタスの定植作業(2022.10.21)

ウネ間30cm、株間30cmの間隔で定植します。

植え穴掘り器と液体肥料の写真です。植え穴掘り器と液体肥料、活力液

ずいぶん年季がはいっていますが、筆者が愛用する球根植え器です。

定植する位置を決めたら、植え穴器のハンドルを持って、ぐりぐりと回しながら差し込みます。(直径9cm:2号ポットに適応)

定植穴には、液体肥料と活力液を千倍程度に希釈し、定植する前に、目いっぱい注ぎ込んでおきましょう。

こうすることで、活着(根張り)が促されます。

苗が多数ある場合はタコ糸を張り、糸に沿って30cm間隔の定植穴を開けていくといいでしょう。

定植を終えたレタスの写真です。定植を終えたレタス(120cmのウネに3条)

2列目と3列目の間隔が、1列目より広くなってしまいました。

こうならないようにするには、最初にウネの中央(60cmの位置)に定植してから、左右30cmの間隔で定植するとよかったですね。

本来なら、乾燥と病気を防ぐために、ウネをポリマルチで覆うと理想的です。

今回は、ポリマルチで覆わずに栽培してみました。

栽培のポイントは、天候に応じた水やりをすることです。

生長しているレタスの写真です。生長しているレタス(2022.11.3)

だんだんと葉が大きくなってきました。

<レタス:追肥 ①>

追肥したレタスの写真です。追肥したレタス(2022.11.4)

土の表面が固くならないように、堆肥を施しました。

それから、株周りに少量の化成肥料を追肥しました。

化成肥料(NPK=オール14)は、1株あたり10g施しました。

レタスの追肥は、結球が始まる前に行うようにしましょう。

中央の葉がまとまり始めたレタスの写真です。中央の葉がまとまり始めたレタス(2022.11.12)

レタスの中心の葉が、だんだんとまとまろうとしています。

結球するのが楽しみです。

<レタス:追肥 ②・土寄せ  >

レタス:追肥と土寄せ作業の写真です。追肥と土寄せ作業(2022.11.25)

まだ結球が進んでいませんが、葉の数が増えてきました。

化成肥料(NPK=オール14)を1株あたり10g追肥しました。

追肥後に、通路に落ちた土を株元へ寄せます。

写真でもお分かりのように、株間が狭かったようで、クワを差し入れることができません。

手間がかかりましたが、小さなスコップで土寄せをしました。

<レタス:霜よけ  >

寒冷紗を掛けた結球レタスの写真です。寒冷紗を掛けた結球レタス(2022.12.4)

レタスはたいへん元気に育っていますが、思ったより結球が進んでいません。

そろそろ、完全な結球を待たずに、サラダに使う分だけ、少しずつ収穫することにします。

今後、霜の降りる日が続きます。

霜によって、株が痛まないように寒冷紗を掛けました。

できれば、ビニールトンネルにしたいところですが、資材が足りませんでした。

今後、寒冷紗だけで、どのように育つでしょうか。

結球がすすむレタスの写真です。結球がすすむレタス(2022.12.16)

レタスの中心が野球ボールほどになってきました。

結球がすすむプランターのレタスの写真です。結球がすすむプランターのレタス(2022.12.16)

小さなプランターに植えたレタスですが、立派に結球しています。

越冬中のレタスの写真です。越冬中のレタス(2023.1.20)

毎日収穫して、サラダでいただきましょう。

もう少し大きく結球してほしいところですが、ここまでのようです。

種をまく時期が少し遅かったかも知れません。

また、マルチをしていないため、乾燥によるダメージもあるようです。

暖かい午前中に、しっかり灌水しました。

クイズの答え

正解:適切に間引く* 間引きのポイント:双葉の形が悪いもの、双葉が小さいもの、双葉の色が悪いもの、大きさがいびつで左右が非対称のもの、
虫食いのものなどを間引きます。

関連記事:家庭菜園 初心者おすすめ!【ガーデンレタスミックス】の育て方を御覧ください。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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