栽培・飼育活動

家庭菜園 初心者おすすめ!【ホウレンソウ】の育て方<栽培中>

ホウレンソウの種袋の写真です。

ホウレンソウの種をまいて発芽したのに、苗が弱って枯れてしまった、という経験はありませんか。

原因の大半は、酸性土壌だったり、排水性の良くない場所だったり、あるいは、25℃以上の高温期に種をまいたためです。

まずは、発芽適温15~20℃を念頭において、準備を始めましょう。

本稿では、種まきから収穫までの栽培方法について、過去の栽培記録と比較しながら、
栽培のポイントをお伝えいたします。

なお、最新の画像等は、日付に西暦を付しています。

筆者紹介・家庭菜園クイズ

子どもたちといっしょに、38年間、自然観察や農園芸などの環境教育活動に携わってきました。

また、自宅では、農家の知識と技術を家庭菜園向きに応用しながら野菜を育てています。

【クイズ】種まき後に土を厚くかけてはいけない野菜はどれでしょう ?

  • ● トウモロコシ
    ● ダイコン
    ● ホウレンソウ
    ● レタス
  • * 正解は最後のページを御覧ください。

【ホウレンソウ:基本情報】

「日本ほうれん草」の種のパッケージの写真です。「日本ほうれん草」の種のパッケージ


「日本ほうれん草」は、「西洋ほうれん草」と比べて、甘い品種です。

[品種名] :ひかり FB 「日本ほうれん草」
生育が早く、アクが少なくておいしい
株式会社 アタリヤ農園 P200

[科・属名]:ヒユ科 アカザ亜科 ホウレンソウ属

[原産地] :中央アジアから西アジア
[生産地] :デンマーク

特 徴
暑さ寒さに強く生育旺盛で、秋まきに適する日本ほうれん草。

濃緑葉でアクが少なく、やわらかくて食味に優れ、生育も早く、耐病性のある品種です。

まき時:暖かい地域 9月中旬~
10月中旬
  :寒い地域 9月上旬~
9月下旬
収穫の目安 暖:10月下旬~
翌2月下旬
寒:10月中旬~
11月下旬
数量 50ml
発芽率 75%以上
ホウレンソウの種袋の写真です。「あまうまほうれん草」の種のパッケージ

サカタ交配 サカタのタネ

[品種名] :あまうま®ほうれん草 まほろば
美咲みさき®シリーズ 923413

味自慢えぐみ少なく味が濃い

  • [科・属名]:ヒユ科 ホウレンソウ属
  • [原産地] :中央アジア
    [生産地] :アメリカ

特 徴
おいしい昔ながらのホウレンソウです。

葉は横に広がらず、切れ込みがあり光沢のある濃緑色です。差幣やべと病に
強く、たっぷりとれます。

まき時:暖かい地域 9月~11月
  :寒い地域 8月中旬~
10月中旬
収穫の目安 暖:10月上旬~
翌3月下旬
トンネル:12月~3月上旬寒:9月下旬~
2月中旬
トンネル:11月中旬~2月中旬
数量 25ml
発芽率 80%以上
採苗本数(間引き前) およそ600本
発芽までの日数 6-10日
発芽適温(地温) 15~20℃
生育適温 15~20℃
会社名 株式会社 サカタのタネ
所在地 〒224-0041
横浜市都筑区仲町台2-7-1
お客様相談室 045-949-8145
商品情報HP https://www.sakataseed.co.jp

【ホウレンソウ:栽培場所の選定と準備】

<栽培場所の選定>

土壌が酸性だと、発芽しても、やがて黄色くなって、なくなってしまいます

ほうれん草の根は、地中に深く伸びます。

排水性のよくない場所では、高ウネで対処しましょう。

<栽培場所の準備>

石灰と元肥を施す[1㎡あたり]

種まき2週間前
苦土石灰:150g(約3振り)

種まき1週間前
堆肥:3kg 化成肥料:100g(約2振り)

* 全面に散布し、よく耕します。

アルカリ性の強さや速効性は、
消石灰 → 苦土石灰 → 有機石灰(カキ殻など)の順に、強 → 弱  速効性 → 緩効性 となります。

また、粒状と粉状があり、速効性には粉状、緩効性には粒状などと、使い分けましょう。

肥料の詳細など、農園芸の基礎資料は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!
2 【農園芸資料】を御覧ください。

【ホウレンソウ:種まき】

<ウネに対して直角にまく方法>

ウネ立てを終え、まき溝をつくる準備の写真です。ウネ立てを終え、まき溝をつくる準備

ウネは、幅90cm、
高さ10cmほどのウネを立てます。

そして、条間15cm、深さ1cmほどの「まき溝」をつけます。

まき溝の写真です。まき溝をつける

幅90cmのウネに対して、直角方向に溝をつけました。

種まき後、かけた土を押さえた写真です。種まき後、かけた土を押さえる

まいた種と、かけた土を安定させるために、木片(農家はクワ)などを使って、軽く押さえます。

この作業を転圧と言います。

転圧することで、乾燥に耐えたり、発芽を均等にしたりする効果があります。

種まき作業完了の写真です。種まき作業完了(9月23日)

種をまき終えて、転圧を終えた状態です。

<ウネに対して平行にまく方法>

種のまき溝をつくる写真です。種のまき溝を平行につくる

1mのウネをつくり、中央の50cmの所にたこ糸を張ります。

中央のたこ糸から、115cm間隔で溝をつけます。

まき溝は、全部で5条できました。

種まき後の転圧作業の写真です。種まき後の転圧(2022.9.22)

種をまき、土をかけたら板などを使ってウネの表面を転圧します。
(種まき日:昨年は9月23日でした)

「この後、水はあげなくていいんですか?」

という、読者の皆様の疑問にお答えします。

結論は、あげません

本稿でも御紹介のとおり、「シュンギク」のコーナーを御覧いただければ明らかです。(スプリンクラーによる水やりが、まばらだったこと)

種まき後、水やりしたところと、しなかったところの発芽が、まばらになってしまいました。

種を直まきしたら

● 直まきした後に水やりしたり、まいた場所が湿っていたりした場合は、その後、雨が降るまで水やりを欠かさずに行いましょう。

● 種まき後、乾燥していても、雨が降れば発芽してきます。

【ホウレンソウ:種まき後の管理】

<発芽したほうれん草>

発芽しだした「ほうれん草」の写真です。発芽しだした「ほうれん草」(10月2日)

発芽がまばらですが、発芽してきました。

発芽が不良なホウレンソウの写真です。発芽が不良なホウレンソウ(2022.10.5)

種まき後に、高温(30℃以上)が続いたためか、発芽が不良です。

ほうれん草の写真です。ほうれん草

少しまばらな感じですが・・・。

そろそろ、株間の中耕を兼ねて、追肥をする準備をしましょう。

硬くなってきた土の表面の写真です。硬くなってきた土の表面

株間の土が、硬くなってきました。

<中耕と施肥>

株間の中耕の写真です。株間の中耕

株間に指を差し込んで、ラッセル車のように、土をかき分けてます。

中耕したほうれん草のウネの写真です。中耕したほうれん草のウネ

中耕した溝に、有機化成肥料を施します。

一溝、軽く一握り(40g)です。

ホウレンソウの写真です。ホウレンソウ(10月17日)

 

生長が良くないホウレンソウの写真です。生長が良くないホウレンソウ(2022.10.17)

土壌の調整が間に合わなかった場所に、種をまいてしまったようです。

土壌のPH(酸度)がホウレンソウの好む値になっていないようです。

注:画像の日付けについて・・・画像に日付がないもの、西暦がなく月日だけの画像は、昨年(2021)のようすです。

種をまいた日にちが異なり、単純に比較することはできませんが、参考にしてくださいね。

ホウレンソウの写真です。ホウレンソウ

だんだんと大きくなってきました。

霜が降りたころから収穫すると、いちだんと甘いほうれん草になってきます。

ホウレンソウの写真です。ホウレンソウ

順調に大きくなってきました。

【ホウレンソウ:収穫】

収穫した「ほうれん草」の写真です。収穫した「ほうれん草」(11月13日)

 

越冬中のホウレンソウの写真です。越冬中のホウレンソウ(2023.1.20)

霜が本格的に降りて、いちだんと甘味が増してきました。

1月のホウレンソウの写真です。1月のホウレンソウ(2024.1.1)

筆者の地域(栃木県足利市)では、「かき菜」が収穫されるまでの大切な葉菜として、
貴重な存在となっています。

クイズの答え

正解:レタス

レタス、シュンギク、ニンジン、セロリなどは、光が当ることびよって発芽率がよくなる性質があります。

これらの種は「好光性種子」、「光発芽種子」と呼ばれています。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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