気軽に、家庭菜園を楽しもう !
失敗したって、いいじゃないか !
をテーマに、小中学生のお子さんを
おもちの方はもちろん、自由研究の感覚で、
野菜を育てるコーナーです。
とても小さな種いもから、美味しいジャガイモが
たくさん採れる様子を観察してみましょう。
ちょっと大げさな言い方ですが、
生命のたくましさと尊さをお子さんと、
一緒に体験してみましょう。
そして、できるだけ安全、安心な野菜を
家族みんなで味わうという「食育」の楽しさも
体験しましょう。
題して、家庭菜園 初心者おすすめ「○○の育て方」
筆者も、あなたといっしょに野菜を育てる感覚で、
野菜づくりの解説をしてまいります。
そうそう、家庭菜園ですから、畑なんていりませんよ。
野菜にもよりますが、スーパーでもらってきたポリ箱や、
肥料の入っていた袋でも十分です。
本稿では、あえて「畑」という言葉は、
使用せず、地植えの場合は「庭」「植える場所」
などと表現しています。
また、野菜を栽培する過程で、
自由研究のテーマになりそうなポイントにも
触れてまいります。
ほら、小中学生のみなさん! 7月になってから
夏休みの課題で悩む前に、春のうちから
準備しておきましょうね。
【ジャガイモ:植え方】
<ジャガイモ:植え場所の準備>
ジャガイモの「種いも」を植えつける前に、
植えたい場所の調整をしておきます。
石 灰 | 土面に薄く散布し、直ぐにすき込む。(土と混ぜる) | 植えつけ、2~3週間前に行っておく。石灰は、土の表面に、いつまでも放置しないで、直ぐ混ぜる。
量が多すぎると、ジャガイモの病気を引き起こすので要注意! 消石灰と苦土石灰の違いを参考に! |
堆 肥 有機化成肥料 |
堆肥や肥料をまき、耕す。 | 石灰と同時にまくのは厳禁!化学反応を引き起こし、作物に悪影響を及ぼすことも。
堆肥の種類はいろいろあるが、完熟したものなら、特にこだわらない。 化成肥料は、有機入りのものを使用したい。 |
ジャガイモを栽培して楽しむ場所は、
はっきり言って、どこでもいいんです。
他の野菜もそうですが、栽培と収穫を楽しむだけなら、
畑なんかいりません。
べつに、市場に出荷するわけでもないんですから、
気楽にいきましょう。
<ジャガイモ:種いも・肥料の準備>


毎年、10kg入りを2軒で分けています。
ホームセンターでも、同じ物が販売されています。
ジャガイモの品種は、お好みに合わせて選びましょう。
「キタアカリ」は、「男爵」と「メイクイーン」の両方の
性質を併せもった品種といえます。
例えば、「男爵よりもウエッティで、
メイクイーンよりホクホク」と、言うような感じでしょうか。

肥料等の詳細については、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!
を御欄ください。
上の写真の肥料には、「8 8 8」と記されています。
これは、チッソ:8% リン酸:8% カリ:8% という
意味です。
ここで、合わせて覚えておきたいことは、
チッソ=葉肥 リン酸=花・実肥 カリ=根肥
と、いう具合に、野菜(植物)に、
どのように働くかというポイントをつかんでおきましょう。
ですから、ジャガイモの場合、地下茎ですから、
カリ肥料を多めに与えます。
他の肥料では、チッソ分を控え、
カリを多めに配合したものもあります。
一般的には、「888」肥料がいいでしょう。
これは、切ったジャガイモの切り口に付ける
「草木灰」です。(無くても大丈夫!)
パッケージにも記されていますが、
「天然のリン、カリ肥料」で、種いもの腐敗防止にも
役立ちます。(無くても大丈夫!)
● 植物の3要素って何?
● 葉肥、花(実)肥、根肥について
● 台所のジャガイモは、種いもとして使えるの?
● 種いもの大きさと収穫との関係性は?
● 種いもを逆さ(切り口を上)にして植えたらどうなる?
<ジャガイモ:植え場所の耕耘>
前もって、石灰、肥料等を施した栽培場所を
面積に応じて、スコップ、クワ、耕耘機などで
耕し、整地します。
その際、石なども一緒に、取り除きましょう。
前作に、ナス科の野菜を育てたところは裂けましょう。
<ジャガイモ:種いも切り>

今頃(3月)の種イモは、すでに芽が出ているものもあります。
この芽を折らないようにしましょうね。
また、ペンで記したように、大きく、
くぼんでいる部分(赤色)は、芽ではなく、
茎が付いていたところです。
ここを切ってしまっても大丈夫です。
できるだけ、芽が均等に残るように切りましょう。
(種イモが大きい場合は、3等分にしても可)
芽を多く残しすぎると、たくさんの芽が出ます。
その分、芽かきがたいへんになってしまいます。


草木灰のつけ過ぎに注意が必要です。
草木灰を皿などに少量移し、一回だけ、
スタンプを押す感覚でおこないます、
<ジャガイモ:植え溝掘り>

整地したら、植え溝(さく)を掘ります。
植え溝は、南向きになるように、東西を長くします。
これは、より多くの太陽光を取り入れるためです。
ちなみに、夏野菜は反対に、南北に長い畝を
つくる場合もあります。

掘り上げた土は、北側に高く盛っていきます。
北風を避け、日だまりをつくるためで、地温が上がり、
ジャガイモの生育を促します。(マルチ不使用の場合)
溝の深さは、20cm程度とします。新ジャガイモは、
種いもの上にできてきますから、浅いと外に出て、
日光に当たり、いわゆる「青たん」になってしまいます。
<ジャガイモ:種いも植え>

植え幅の目安となる角材などを置き、均等に並べます。
慣れたら、自分の足の幅(一足長)を目安とします。
ここでは、少し狭めの25cmとしました。
切り口を下にして、等間隔に植え付けます。
画像の右側が南です。
左側が北で、掘った土を盛り上げています。

<ジャガイモ:施肥>
先に紹介した肥料をかるく、一つかみ(約40g)ずつ、
種いもに触れぬように施します。(間に肥料を置く感覚で)
有機入り肥料は、土の中で、バクテリア等によって
分解され、最終的には、植物が吸収可能な、無機質の
チッソ、リン酸、カリとなります。
有機物が腐熟し、
分解されていく過程で生じる、酵母菌、納豆菌などの
有用菌が、土を肥やし、野菜の健全な成長を促します。
ただし、速効性のある肥料は化成肥料です。
<ジャガイモ:土かけ・転圧>

種いもの土かけ
前述したように、新ジャガイモは、種いもより上にできることを
念頭においておきましょう。

土をかけ終えたら、クワや板を使って、
かけた土を軽く押さえます。
表面の土を落ち着かせることで、
種いもと土の間にできた隙間をなくします。
こうすることで、極度の乾燥を避けたり、
隙間に水が留まって、種いもがだめになったりすることを
未然に防ぐことができます。
<ジャガイモ:マルチング栽培法>
一般に、ジャガイモの植え付けは、霜の心配が
なくなってから行います。
霜の心配がなくなれば、マルチングは必要ありません
まだ霜の心配があり、早く植えたい場合は、
マルチを掛けて保護します。
また、黒マルチは、坊草対策にも役立ちます。
すべての畝にマルチを掛けて、作業は終わりです。
ジャガイモは、霜にたいへん弱い野菜で、
早植えには、注意が必要です。
暖かくなると、土の表面から芽が出てきます。
マルチが持ち上がってきますので、芽をいためないようにして、
マルチを切って、芽を外に出してあげましょう。
【ジャガイモ:定植後の作業】
<ジャガイモ:マルチの開放>

「私はここに居ます」と聞こえてくるような感じ。
マルチを少し破ってやると、下からジャガイモの芽が
出てきました。「フー!」という声が聞こえそうですね。
芽は、光合成ができず、淡い色合いです。
(黒マルチは、土壌保温、坊草効果があります)

マルチを破った部分は、土で押さえ、穴をふさぎます。
そうしないと、そこからマルチ内の熱風が外に出てきて、
芽や株に当たり、作物を衰弱させてしまうからです。
ジャガイモの芽(2022.4.6現在)
今年は、マルチを敷かない方法で、ジャガイモを栽培しています。
ところどころから、芽を出しはじめました。
<ジャガイモ:芽かき>

遅霜の心配がなくなった今頃、「芽かき」をします。
一つの種芋から、たくさんの芽が出ているところがあります。
今回は、芽を2本だけ残して、あとは間引きました。
芽が多すぎると、栄養が分散してしまい、
とても小さな子いもが、たくさんできてしまいます。

芽かきをするときは、片手で株元を押さえないと、
種芋まで抜けてしまうことがあるので、注意が必要です。

<ジャガイモ普通栽培:芽かき>

ジャガイモの芽が出てきました。
表面の土は平らで、ずいぶん硬くなっています。

芽の周りの硬くなった土をほぐしながら、土寄せをします。
土寄せ作業とともに、複数出た芽を欠きとり、
芽を1~2本残します。

芽かきの際、株元を抑えて丁寧に行いましょう。


株元を抑えずに無造作に芽かきをしてしまうと、
種イモまで引き抜いてしまうことも・・・。

芽の周りの土を中耕しながら、土寄せを行い、
余分な芽を欠きとりました。
そして、少し離れた芽の周辺に、有機化成肥料を追肥しました。
化学肥料のみを施していると、土がカチカチに
硬くなってきます。
有機化成肥料や配合肥料を与えたり、
堆肥などの有機物を投入したりすることを
忘れないようにしましょう。

硬くなった畝閒も同時に耕しておくと、
排水性や通気性を高めることができます。

また、土が再び硬くなることを防ぐため、
芽の周りに、堆肥をまいておくとよいでしょう。

株もとに、耕した畝閒の土を寄せます。

すべての株もとに、土を寄せました。
中耕、追肥(有機化成+堆肥)、土寄せ作業によって、
排水性、保水性、通気性、保肥性の向上が図れました。
マルチを使用しないことで、
雨水による土中の肥効性が失われがちになります。
また、新しくできたジャガイモが、
地表から露出すると、青色に変色しますので、
土寄せ作業が、特に重要になってきます。
(ジャガイモの青色化:有害物質ソラニンによる)

(2023.4.17)
1回目の芽かきの後、後から出てくる芽があります。
栽培目的に応じて、必要ならばその芽も欠きとりましょう。
芽の数が多いと、小さい新ジャガイモばかりがが多くなってしまい、
ほど良い大きさの新ジャガイモが少なくなってしまいます。
また、この頃のジャガイモの葉は柔らかく、
葉の裏にアブラムシが付いてしまうことがあります。
木酢液を使って予防します。
どうしても農薬に頼らざるを得ない場合は、
アブラムシが飛び回るくらいになってから、
散布するようにします。
処置が遅れると、アブラムシによって、
樹液を吸われてしまい、ちぢれたり、
ウイルス病の原因になってしまいます。
農薬に慣れていない人は、
市販の「野菜用スプレー」をおすすめします。
農薬には、適応している野菜が決まっています。
できるだけ、適応範囲が広く、
できるだけ新しく開発された商品を選びます。
農薬には、殺虫剤、殺菌剤、殺菌殺虫剤があり、
初心者の方は、家庭菜園用の殺菌殺虫剤が無難でしょう。
だんだん大きくなってきたジャガイモの葉
(2022.4.27)
ジャガイモの葉が十分に展開するころには、
葉も丈夫になり、アブラムシも付きにくくなってきます。
2度目の芽かき作業が少し遅れてしまいました。
基準は1本立ちを目指していますが、大きくなってしまった芽は、
無理に欠き取らず2本立ちにしておきましょう。
<ジャガイモ:花芽の摘芯>

ずいぶん大きくなってきたジャガイモです。
そろそろ、花芽が立ち上がってくるでしょう。

つぼみも出て大きく育ったジャガイモ
ところで、あなたは、花を放置する派?
それとも摘み取る派?
収穫には、さほど関係ないようですが、
私は、摘み取る派です。でも、可愛い花ですよね。

<ジャガイモ:試し掘り(1回目)>

(マルチ栽培の場合)

(マルチ栽培の場合)
ジャガイモの茎が、倒れ始めました。
いよいよ、収穫の時がやってきたサインです。
試しに一株、掘ってみました。
この畝は、サヤエンドウの陰になっていた部分で、
あまり成育が良くなかったのですが、
Mサイズが5個と、ピンポン球サイズが5個とれました。

遅霜の心配がなくなってから、種いもを植えたジャガイモです。
マルチ栽培に比べて、種いもを植える時期は遅れますが、
追肥が容易に行えるというメリットもあります。

マルチを張らずに育ったジャガイモです。
追肥がしっかり効いていたようで、
マルチ栽培よりも、大きく収量も多いようです。
なんと言っても、家庭菜園の利点は、
お店に流通する前に食べられることです。
そして、新鮮で安全(無農薬)な野菜が
食べられることでしょう。
このジャガイモも、有機肥料による
オーガニック栽培です。
<ジャガイモ:試し掘り(2回目)>

マルチなしの約4mのウネを、2列ばかり
掘ってみました。
左側のカートから、特大、大、中。小、極小の
順番で分けました。
特大はのイモは、まだ表面の亀裂はありません。
小さいイモがまだ多いことから、本格的に
掘るのは6月の下旬にします。

マルチ栽培と比べ、種いもを植え付けた日が
半月ほど遅かったため、まだ青々としています。

(マルチ栽培による)
【ジャガイモの収穫】
<ジャガイモ:マルチ栽培>

2回目の試し掘りです。(マルチ栽培)
もう少し大きくしたいので、様子をみることにしました。
すべての掘りあげは、後日とします。
6月になると、ジャガイモの株が倒れ、
収穫の適期を知らせてくれます。
(マルチ栽培)
幸い晴天が続いたので、掘りおこしました。

今年は、一株2~3本立ちにして栽培したためか、
小さいイモが多くなってしまったようです。
収穫したジャガイモは、直射日光を避け、
なるべく光の当らない、風通しの良いところで
保管しましょう。
また、秋口になると、発芽してきますので、
こまめに芽をかきとりましょう。
そして、小さいイモを取り残してしまうと、
翌春に発芽し、他の作物の邪魔になってしまうので、
できるだけ丁寧に掘りおこしましょう。

<ジャガイモ:露地栽培>

[● 追肥を2回おこなった際、チッソ分がやや過剰となり、
過繁茂となり、株の大きさのわりに収穫量が少ない。
● 2/6ウネがサクランボの木陰であったため、
日光が十分に得られず、2ウネの収穫量が
他のウネに比べて極端に少なかった。/box04]
<ジャガイモ:枝先についた実>

ジャガイモの収穫中に、珍しいものを見つけました。
ジャガイモの花は、できるだけ摘みとっていますが、
実がついていました。
まるで、ミニトマトのようですね。
ナス科(トマト、ナス、ジャガイモなど)の
特徴がうかがえます。
ジャガイモ栽培は、毎年行っていますが、
地上に成った実を見るのは初めてです。
キタアカリなどは、地上に実を付けやすい
品樹とのことですが、珍しいので記録しました。
ちなみに、未熟な果実は植物毒アルカロイドが
含まれていますので、食べてはいけません。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
Y/Kさん、コメントありがとうございます。 足利市内の八雲神社は、松田町と小俣町…
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