栽培・飼育活動

家庭菜園【ど根性ハーブ:ミツバ、シソなど】の育て方

ブロックの隙間から発芽した「シソ」の写真です。

田舎でよく交わされる会話の中に、

「ネギとってきて!」「あと、ミョウガとシソもお願い」

キッチンで食事の支度をしている母と家族とのやりとり・・・。

「いったい、どこからとってくるの?」それは、庭の菜園からなんです。

都会のマンションやアパートでも、手軽にハーブが栽培できたらいいな、と、思うことはありませんか。

そこで、毎年栽培可能な、日本を代表する、ハーブの育て方を御紹介いたします。

ハーブとは、一般に香辛野菜の総称で、わが国ではシソ、ミョウガ、ミツバなどが代表的ですが、ポイントさえ理解して種を一度まけば大丈夫!ハーブを毎年味わえる方法を考えてみました。

筆者紹介・家庭菜園クイズ

子どもたちといっしょに、38年間、自然観察や農園芸などの環境教育活動に携わってきました。

本稿では農家の知識と技術を家庭菜園向きに応用し基本的な「野菜の育て方」について解説いたします。

【クイズ】 次のうち、日本がふるさとの野菜はどれでしょう?
(正解は、2つありますよ)

  • ホウレンソウ
  • シソ
  • ミョウガ
  • オクラ
  • ミツバ

* 正解は、最後のページを御覧ください。

【ど根性ハーブ:ミツバ・シソ・ニラ】

レンガの隙間から発芽した「ミツバ」の写真です。
レンガの隙間から発芽した「ミツバ」
ブロックの上に、ミツバのプランターがハンギングされています。

プランターから、種が落ちて発芽しました。

すごい生命力ですね。

シソやミツバは、葉を利用した後、花が咲いて枯れるまで、その場に放置すると、やがて種ができます。

ミツバの種の写真です。ミツバの種

あなたのベランダにも、「ど根性ハーブ」が、発芽するかも知れません。

<ど根性ハーブ:シソ>

ブロックの隙間から発芽した「シソ」の写真です。 コンクリート(平版)から発芽した「シソ」

地面に置いたコンクリートの平版の隙間から、ど根性さんは、しっかり存在感をアッピール!

夏の定番の一つ、「大葉」です。

そこで問題です。

あなたのお子さんから、「大葉と紫蘇(シソ)って、同じなの?」と問われたら、どうお答えになりますか?

そうです、一般に「青紫蘇」の葉を野菜として呼称する場合に「大葉]、植物名としては「紫蘇」と言います。
 
正解は、同じものです。

ただし、赤いシソと青いシソを混植していると、やがて、赤いシソ一色になってしまいます。

また、シソの葉も、ちぢれている「チリメンアオジソ」と、葉の表面が緑色で、裏面が赤色の「カタメンジソ」がります。

香味野菜として流通している「大葉」は、葉がまっすぐで、両面が緑色です。

シソは、実なども利用されますから、葉だけを指して「大葉」として区別されています。

シソも、ミツバに並んで、「ど根性」は格別です。

「マンションのベランダには、そんな隙間はないよ!」という貴方に提案します。

これは、いかがでしょうか。

アスパラガスの鉢から発芽したシソの写真です。

 

アスパラガスの鉢から発芽した「シソ」の写真です。アスパラガスの鉢から発芽した「シソ」

なんと、思いも寄らぬところから発芽するのが、この子たち、ど根性ハーブなんです。

そしてまた、こんなところからも・・・。

アスパラガスの根元から発芽して育つシソの写真です。アスパラガスの根元で育つシソ

 

庭に自然に生えたシソの写真です。庭に自然に生えたシソ

シソに似た草に注意しましょう!

* 家庭菜園を楽しむ中、不思議と野菜やハーブによく似た草が近くに生えてくることがよくあります。「うちのシソは、香りがしないんだけど」よく見ると、シ

ここに本文を入力

ソに似た草でした。なんてことも・・・。

シソと草の写真です。よく似た草(左)とシソ(右)

上の画像では草とシソの区別がよく分かりますが、発芽したての段階だと、まぎらわしい場合もあります。

判別の方法は「香り」「葉の切れ込み」の有無で判断します。

植物のなかには、人にとって有害な品種もありますので、種苗店などから購入した種や苗以外(山野草を含む)の植物を安易に食用としないことを厳守しましょうね。

自然に生えてきたシソの写真です。思わぬところから生えてきたシソ

 

ところ狭しと生長するシソの写真です。ところ狭しと生長するシソ(9月)

ちょっと邪魔になってきたけれど、花が咲いて実が成るまで待ちましょう。実は美味しくいただきましょう。

自然に生えてきたシソの写真です。草といっしょに生えてきたシソ

自然に生えれきたシソは、よほど邪魔にならなければ引き抜いて捨てないで、そのまま育てるか、プランターなどに植えて利用しましょう。

プランターに植え替えたシソの写真です。プランターに植え替えたシソ

柔らかい葉を薬味(ヤクミ)として利用しながら花が咲くまで育てると、種がこぼれて毎年無限シソが楽しめます。

シソやミツバなど、種子ができるハーブは花が咲いた後、種ができるまで育てることがポイントです。

種子を採取して、翌年まいてもいいし、そのままにしていても、種は自然と飛び散って来春になると、いろんなところから発芽します。

シソの花の写真です。シソの花(9月中旬)

<ど根性ハーブ:ミツバ>

プランターのミツバの写真です。プランターのミツバ(4月6日)

毎年育てているミツバのプランターから、ミツバが出てきました。

春になると、期待どうり顔をのぞかせてくれます。

ギボウシの間から発芽したミツバの写真です。ギボウシの間から発芽したミツバ

 

物置のそばで育つミツバの写真です。物置のそばで育つミツバ

都会で暮らす私の子どもたちも、スーパーで、結構な値段のパック入り「大葉」などを
購入しながら、「田舎はいいな」と感じているようです。

花の植木鉢の下で育つミツバの写真です。花の植木鉢の下で育つミツバ

自然に生えてきたミツバも花を咲かせ種を付けます。

ミツバも抜きとる場合は、植木鉢に移植して育ててあげましょうね。

植木鉢に移植したミツバの写真です。植木鉢に移植したミツバ

<ど根性ハーブ:ニラ>

飛び石の隙間から自然に生えたニラの写真です。飛び石の隙間から自然に生えたニラ

抜いても、抜いても生えてくるニラも根性がありますよ、

しかし、食用にする場合は香りなどを十分に確認し、有毒なスイセンなどと混同しないよう最大限の注意が必要です。(有害な植物は、以外と身近に存在します。例:アジサイ、犬サフランなど)

ニラの花の写真です。ニラの花(9月)
  • スイセン:ニラ臭がない、葉に筋が通っている。
  • ニラ  :ニラ臭がある、葉に筋がない。

ニラは多年草で、根がしっかり張っていますので、移植するときはスコップでしっかり掘り起こしましょう。

ニラは根を切り、株元まで食べることができます。

【ど根性ハーブと野菜】

<ど根性シソの鉢植え>

鉢植えのジャガイモとシソの写真です。
鉢植えのジャガイモとシソ
左は、3月に植えたジャガイモです。

もちろん、一鉢では十分な量の収穫はできませんが、自然観察や食農教育としては、いい教材になります。

ジャガイモについての参考記事は、
家庭菜園 初心者おすすめ!【ジャガイモ】の育て方を御覧ください。

その点、こぼれ種から発芽したシソなどは、鉢上げして栽培すると、とても大きく育ちます。

やがて、花が咲き、再び周囲に種をこぼします。

ブロックを並べたスペースに植えたシソの写真です。ブロックを並べたスペースに植えたシソ

庭の隅にブロックを並べただけのスペースを設け、シソを移植しました。

ベランダでは、とにかく「土の面をできるだけ確保」します。

例えば、小さなプランターに土を入れておくだけで、お隣の種がこぼれて来春、発芽します。

スギやヒノキの花粉が、地面に到達できないのと、少し似ているようなお話ですね。

<ど根性ワケギ>

ワケギの苗の写真です。
ワケギの苗
香りのいいネギ類は、たいへん丈夫な野菜です。

春にまいたワケギが、10cmほどに育ちました。

ワケギやアサツキも立派なハーブの仲間です。

プランターでも、しっかり栽培することができます。

植え方は、普通のネギと同じです。

ネギは、土を嫌がりますので、最初は少しずつ、土を寄せていきましょう。

ネギの植え方の参考記事(根元が曲らずに育てる方法)は、
家庭菜園 初心者おすすめ!【ネギ】の育て方を御覧ください。

プタンターに植えたワケギ苗の写真です。プタンターに植えたワケギの苗

プランターの中央に溝を掘り、苗を並べます。

根元には、ほんの少し(苗が安定する程度)の土を寄せます。

ネギの葉先が立ってきたら、葉先側の土を寄せます。

そうすることで、ネギの根元は曲がらずに、まっすぐ育ちます。

プランターのワケギの写真です。
ワケギ 

<ど根性ミョウガ>

ミョウガの写真です。どこでも、すくすく育つミョウガ

半日陰で元気に育つ「ミョウガ」です。

ミョウガも日本を代表するハーブの1つです。

春になり、だんだんと大きくなってきました。

ミョウガも、毎年いろいろなところから芽を出します。

<ど根性ミント>

ミントと竹の写真です。
ミントと黒竹
我が家のミントは、抜いても抜いても、「出てくる、出てくる」
むしろ困るほどです。

おまけに、ハーブではありませんが、以前、植えていた「黒竹」も出てきます。

そして、ノウゼンカズラも・・・。

庭に定植するときは、将来のことを考えないと、けっこう、やっかいなことになってしまいます。

<ど根性シュンギク>

シュンギクの花の写真です。
シュンギクの花
庭に植えた香りのシュンギク!ビニールトンネルの中で、冬を越しました。

そして、きれいな花も咲きました。

シュンギクの育て方の詳細は、
家庭菜園 初心者おすすめ【シュンギク】の育て方を御覧ください。

クイズの答え

正解:ミツバ、ミョウガ

日本原産(ふるさと)の野菜・・・アサツキ、アシタバ、ウド、クロクワイ、サンショウ、ツルナ、ニラ、フキ、ミツバ、ミョウガ、ヤマイモ、ワサビなど20数種類。

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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