インゲンが定植の時期を迎えました。
目安は、本場が4枚になったころです。
インゲンの種類には、「つる有り」と「つる無し」があります。
ここでは、「つる有り」インゲンの定植についてお伝えします。
ところで、最も気になるのは、支柱の立て方ですよね。
一般に、「2mの支柱」×苗数ですから、多くの支柱が必要です。
でも大丈夫、これから「手作りフェンス仕立て」の一例を御紹介いたします。
目次
【インゲンの育て方】
<インゲンの種について>
✩ 作りやすいドジョウいんげん✩
- [品種名]:つるありインゲン《ケンタッキーワンダー》
美咲シリーズ 927071 - [科・属名]:マメ科 インゲン属
- [原産地] :中央アメリカ
- [生産地] :中国
特徴
さやの形から、「ドジョウ」とか「尺5寸」とも呼ばれています。莢は淡緑色、やや厚みのある平莢で、莢面に多少凸凹ができます。スジがなく、かたくなりにくいので、おいしく食べられます。
まき時:暖かい地域 | 4~5月 8~9月 |
---|---|
:寒い地域 | 5~6月 |
収穫の目安 | 種まき後、60日前後でとれ始め、40~50日間収穫 が5続きます。マメがふくらみすぎないうちに収穫します。若どりするとたくさん収穫することができます。 |
種の数量 | 30ml |
発芽率 | 80%以上 |
採苗本数 (間引き前) |
およそ:40本 |
発芽までの日数 | 5~8日 |
発芽適温(地温) | 25℃前後 |
生育適温 | 20℃前後 |
✩ やわらかくて、とてもおいしい ✩
- [品種名]:つるありインゲン《アーリーグリーンKB》
品種番号:01454 - [生産地] :アメリカ
特性
生育旺盛で作りやすく、タネまき後65日位でとれだす早世多収タイプです。さやは17~18cmの光沢のある丸莢で、やわらかく美味しいインゲンが長期間楽しめます。
まき時:冷涼地 | 4中旬~7月上旬 |
---|---|
:中間地 | 4~7月 |
:暖地 | 3月下旬~9月上旬 |
収穫の目安 | 莢を早めに収穫すると株も疲れず長期間楽しめます。 |
種の数量 | 25ml |
発芽率 | 80%以上 |
採苗本数 (間引き前) |
およそ:40本 |
発芽までの日数 | 5~8日 |
発芽適温(地温) | 20~25℃前後 |
<種まき前の処理>
種をまく前に、活力液HB-101につけます。
活力液HB-101を付けることで、発芽率が向上し、その後の苗の生長が良好になることを実感しています。
- HB-101の使用方法
希釈倍率 | 千倍~十万倍 1Lに。1~2滴 |
---|---|
希釈液につける時間 | マメ科:10秒 |
<苗床の準備>
種まきする時期によって、小さなビニールトンネル状にしたり、白色の寒冷紗を掛けます。
【インゲンの種まき】
<ポットまき>
ポットに野菜の培養土をすりきり入れ、両手の親指で8分目ほどまで。かるく圧縮します。
次に、十分に吸水させた後、ポットの中央に、指で穴をあけ種をまきます。
深さは、だいたい種の大きさの2.5~3倍とします。
まき終えたら、土をかけ、表面を軽く押さえて整えます。そして、水やりして修了です。
なお、発芽の適温は、種の入った袋に表示されています。
つる有りいんげん:発芽適温 15~25℃ 生育適温 20℃ 品種名:セネックス001 生産地:アメリカ (アタリヤ農園)
このように、発芽適温などが表示されていますね。
また、種の袋は、捨てずに保管し、成育、収穫、食味など、自分の好みに合った品種かどうかを、見極める資料とします。
まき終えたポットは、寒冷紗をかけた苗床で管理します。
寒冷紗をかけることで、苗床の温度や湿度を調節します。(発芽した双葉を、鳥に食べられないように注意してね)
<直まき>
インゲンの支柱
うね間1m、株間30~40cmの間隔で、種をまくスペースを確保します。
支柱をクロスする位置は低く、同じ高さで固定、さらに横支柱を設置します。
種をまくスペースは、底の平らなビンなどを使って、スタンプのように印を付けておきます。
発芽を均等にさせる工夫:種をまく面が平らで、種にかけた土も平らにします。
それぞれ、種をまいたところがデコボコであれば、発芽も不揃いになってしまいます。
種まき後の転圧
種まきスペースに、種を3~5粒まいた後、土をかけて板でかるく押さえます。
鳥除け
ハトやカラスに種を食べられないよう、不要になったCDなどを吊り下げておくと効果的です。
【インゲンの発芽】
<ポットまき>
インゲンが発芽しました。
発芽率を御紹介するため、各ポットに一粒ずつまきました。
その発芽率は、一袋72粒の種のうち、発芽した種は、66でしたから、約92%でした。
この後、本場が4枚になるまで培養します。
<直まき>
発芽したインゲンが、元気に成長し始めました。
【インゲンの定植】
定植場所の準備
事前に耕しておいた場所に、苗の数に合わせて、畝(うね)をたてます。
畝の幅は、40cm、高さは20cn程度とします。
株間30cmで、仮にポット苗を置きます。
定植する前に、フェンスの骨格になる支柱を立てます。
「球根植え器」などを使って、苗を植える穴を掘ります。
植え穴を掘り、水を注ぐ
それぞれの植え穴に、水を目いっぱい注ぎ込みます。
こうすることで、苗の活着が促され、植え込み後の乾燥にも耐えられるようになります。
長雨で、作業が遅れてしまいました。
苗のつるが伸びすぎているようです。
野菜の肥料や輪作栽培の方法は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!
2 【農園芸資料】を御覧ください。
【インゲン:定植後の作業】
<支柱立てと誘因>
作業中に、つるを踏みつけないように注意しましょう。
あらかじめ立てておいた支柱(縦)に、苗に沿うようにして、横支柱を取り付けます。
このとき、苗の真上ではなく、少し南よりに横支柱がくるように固定します。(縦支柱をそうなる位置に、前もって立てておきます)
そして、縦支柱の最上部にも、横支柱を取り付けます。
組み立てた支柱は、四角形になりますね。
最初に、横糸を縦支柱に縛り、からめながら、約20cm間隔で、下方から順に張っていきます。(一番下の横ひもは、つるがすぐ届く高さに取り付けます)
横糸を張り終えたら、今度は、一番上の横支柱に、同じく20cm程度の間隔で、縦ひもを縛り、吊り下げるように、付けていきます。
そして、この縦糸を横糸に1回巻きながら、最下部の横支柱まで張り結びます。(縦ひもと横ひもで、ネット状になります)
支柱の一部に、筋交いを施します。
ところどころに、支柱を斜めに立てて固定し、ネット全体の大きな揺らぎを防ぎます。
けっこう手間がかかってしまいますが、この方法なら、多くの支柱を使わずにすみます。
また、麻ひも(ジュート)は、バインダー用のものを使えば、安価で、いろいろな用途に使用できて便利です。(麻は、自然に分解されやすいので、 切れ端などに気をとられずに、作業できます)
ちなみに、麻ひもの代わりに、「園芸ネット」や「キュウリネット」でもいいでしょう。
この園芸ネットは高価ですが、再利用ができます。
そして、キュウリネットは安価で、広範囲をカバーできます。
それぞれの特色を生かして、栽培する面積に合わせて、使い分けるといいでしょう。
例えば、ベランダ栽培には園芸ネット、広い面積の畑では、キュウリネットがおすすめです。
私の場合は、インゲンが収穫しやすい、手作りフェンス仕立てにしています。(ネットの網目の大きさが、自由に決められます)
「待ってました」とばかり、支柱にしがみついています。
支柱にからみついたインゲン
インゲンが支柱を見つけました。
このころ、よく見ていないと、隣の支柱や、反対側の支柱に、絡みついてしまうことがあります。
正しい位置に、つるを誘引してあげましょう。
<中耕・土寄せ>
5月ごろの天候の変化は以外と激しく、野菜の株周りの土がカチカチになりがちです。
土の表面が硬くなってきたら、スコップを使って、株周りの土をほぐしながら株元に寄せてあげましょう。
中耕、土寄せの作業とともに、少量の肥料や堆肥をスキ込んでやると、その後の成長促進に役立ちます。
ただし、肥料過多(特に、N=チッソ)は厳禁で、ツルぼけの原因となりますので要注意です。
直まきのインゲンは、本葉が2~3舞までに、一か所2本立ちになるよう間引いておきましょう。
インゲンのツルは、特に誘引してやらなくても、支柱を上手につかんで伸びていきます。
ただし、株間が狭すぎると、お隣の支柱にからみつくことがありますから、よく観察しましょうね。
<追肥>
草丈が20cmくらいになったころ、追肥と土寄せを行いました。
この追肥の方法は、エダマメと似ていて、マメ科の特性(空中窒素を蓄える)を考慮します。
窒素肥料を控えめ(参考 NPK:2・3・3)にします。
つる有り系は、次々に実を成らせるため、追肥をまめに行うことがポイントです。
また、インゲンは、マメ科の中で、最も肥料が必要な野菜です。(注意参照!)
つる有り系は、収穫が始まってから2回の割合で追肥します。
肥料過多になると、実が付きません。
元肥料が十分だったり、前作野菜の残肥が土中にある場合は、むしろ追肥しない方が安全です。
<過繁茂(ツルぼけ)の例>
チッソ肥料過多だったため、旺盛にツルが伸び、花を付けず全く実を付けようとしないインゲンです。
いつも野菜を栽培している場所であれば、全く肥料がいらない場合もありますので、インゲンの成長ぐあいをよく観察して判断しましょう。
追肥を施さなくても順調に育ったインゲンは白い花を咲かせ、たくさんの実を付けるようになります。
<ベランダ栽培>
プランターに植えたインゲン
普通のプランターには、3本植えとします。
ここでは、弾力姓のあるポールを支柱として使用します。
最初に、プランターの奥側に、アーチを1本立てます。
それから、苗の後ろ側に、1本ずつ支柱をさして立て、先ほどのアーチとの交差点を結び、固定します。
支柱の上部は、お好みに応じて、横支柱を付けます。
支柱を使ったデザインは、いろいろ考えられます。
例えば、アーチより上部に、短い支柱を複数、斜めに付けていくと、おしゃれなトレリスができます。(写真は、最もシンプルな例です)
<インゲンの花>
インゲンのつるも、どんどん伸びて、いよいよ花が咲き始めました。
【インゲンの収穫】
インゲンは、若いサヤほど柔らかでサヤのツルも無く、美味しくいただけますよね。
実が成りだしたら早めに収穫すると、甘味や風味が格別です。
<インゲンの摘心>
支柱の先端に到達したインゲンは、次々に実が成ってきます。
ツルが支柱の先端に到達したら摘心し、側枝の発生を促しましょう。
さらに側枝をバランスよく誘引し、上に伸びてきたら主枝と同じように摘心します。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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