スーパーでの買い物の際、必ず目がとまる「アスパラガス」
手にとってはみるものの、本数のわりに、意外と値段が高くて、あきらめてしまうことはありませんか?
だったら、自分で栽培しちゃいましょうよ。
ところで、アスパラガスは、なぜ高価なんでしょうか?
それは、収穫までに約3年かかるからです。
でも、その後は、毎年収穫ができる利点もあるんです。
それでは、あなたも御一緒に、「アスパラガス」を栽培してみましょう!
(筆者紹介:野菜栽培歴40年。しかし、まだ40回。勉強中です!)
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目次
<アスパラガスの芽吹き>
アスパラガスの芽吹き(種まき後:2年目)
昨年、種をまいたアスパラガスですが、今年(2年目)は、いよいよ庭に定植します。
アスパラガスは、定植後、5年~10年間、同じ場所で栽培しますので、よく考えて定植場所を決めるようにします。
また、大きめ(約10号以上)の植木鉢でも栽培可能です。
今年は、株を充実させて、来年から(種まき後3年)収穫するようにします。
【アスパラガス:定植前の準備】
昨年の春、種をまいて育てたアスパラガスの芽が出てきました。
アスパラガスは、定植後、5年~10年以上、同じ場所で栽培します。
少し、気合いを入れて、場所の選定と、準備をおこないます。(長く栽培するため)
<石灰を施す>
その前に、ホームセンターで、興味ある石灰を見つけましたので、紹介します。
貝化石?とは、数千万年前の海中生物たちが堆積し、厚い層となったものです。
豊富なカルシウムに加え、天然ミネラルもバランス良く含まれており、古代の恵みとも言えます。
<堆肥を施す>
石灰をまいて、数日たった後、今度は、堆肥と有機化成肥料を全面に散布します。
そして、よく耕します。
この植え場所は、排水をよくするために、波板を設置し、新たに土を盛り、周囲の地面よりも、約20cmほど高くしました。
- 土質は選ばないが、排水のよいところ。
酸性が強くないところ。
連作を避ける。
<元肥を施す>
肥料は、(1m2あたり)元肥:堆肥3kg 化成肥料150g(有機にこだわらなければ、ふつうの化成888肥料)
この後、一般的には、幅30~40cm、深さ15~20cm、の植え溝をつくる。その底に、堆肥・元肥を施し、土と混ぜて、その上に植えつけます。(ウネ幅120~150cm、株間30~40cm)
元肥などの園芸基礎の詳細は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!を御覧ください。
【アスパラガスの定植】
<植え穴を掘る>
ここでは、簡単さを重視します。
少しちがった方法で、苗を定植するための、植え穴を掘りました。
球根を植えるための器具を使い、植え穴を約40cm間隔で掘ります。
この球根植え器の直径は、ちょうど、3号鉢ほど(直径9cm)です。
それよりも大きなポット苗は、シャベルで植え穴を拡張します。
定植後、すぐに収穫できる大苗も市販されています。
その場合は、購入した苗の説明書のとおり、定植します。
<水を入れる>
植え穴に、水を注ぎます。
この作業は、アスパラガスに限らず、どの苗を定植するときにも、必ずおこないます。
こうすることで、数日、晴天が続く日があっても、植えた苗は、しおれることなく、元気に成長してくれるからですます。
反対に、植え穴に水を注がず、表面だけ水をまいた場合は、特に夏場など、毎日、水をあげないと、苗がしおれた状態をくり返してしまいます。
ところで、上の写真でもわかりますが、ポットから出されたアスパラガスの苗の根は、しっかりしています。
<苗を植える>
水が注がれた植え穴に、アスパラガスの苗が定植されました。
この時のポイントは、ポット苗を、5cmほど深く植え、覆土しないことです。(周囲より、くぼんだ状態)
昨年の秋に、鉢に植えたアスパラガス
昨年の春に、種まきした後、大きめの植木鉢で栽培したアスパラガスです。
さすがに、ビニールポットで栽培された苗に比べ、芽の太さや伸長する勢いが断然良いですね。
倒伏を防止するため、朝顔などで使用する、つる性植物栽培用の支柱を代用すると便利です。
しかし、今回、地植えした苗は、この植木鉢の苗よりも、はるかに大きく育つでしょう。
ベランダ栽培では、こうした植木鉢を利用してもいいですね。
これから、細かな葉が展開して、観葉植物としても美しく、晩秋まで楽しむことができます。
収穫は、やはり、来年(3年目)からおこないます。
数年後には、植えかえが必要です。そうしないと、新芽がだんだん細くなり、収穫量も減ってしまいます。
とにかく、肥料が好きな野菜といえるでしょう。
【アスパラガスの性質】
アスパラガスの生育適温は、
28℃くらいまでで、それよりも高く、30℃くらいになると、株が衰弱します。
また、5℃以下では、生育が著しく低下します。
生育適温は、15~18℃でしょう。
市販苗の大苗の場合は、しっかり根を広げて定植しましょう。
株の大きさにもよりますが、順調なら、今年から収穫できます。
今後、夏場を迎え、茎枯病などの対策が必要になってきます。
【アスパラガス:定植後の管理】
定植したアスパラガスの芽(3月20日)
庭に定植したアスパラガスの芽が、どんどん伸びてきました。
芽だし前に、液体肥料をあげられなかったので、株周りに化成肥料を一降り(約30g)施しました。
やがて、支柱とジュートひもなどが必要になってきますので、あらかじめ用意しておきましょう。
<支柱立て>
定植したアスパラガスの茎が、倒れてきました。
2年目の苗とあって、まだ芽も細くて貧弱です。
このまま放置すると、雨による「土はね」によって、茎枯れ病などを引き起こしてしまいます。
アスパラガスの茎が倒れないように、支柱とジュートひもで支えます。
支柱立てと、1回目の誘因が終わりました。
今後は、アスパラガスの生長に合わせ、ジュートひもを支柱に足しながら支えていきます。
私が作業していると、近くで様子を見ている我が家の監督さん。
今度ばかりは、何か言いたそうです。
「おい、このひも、曲がってんじゃん!やり直し!」発芽した苗をしっかり育てると、こんな数になります。
この他にも、これと同じだけのポット苗ができてしまいました。
もちろん、兄弟や知り合いにお裾分けするつもりで栽培したのですが・・・。
<鉢植えのアスパラガス>
ベランダ用のアスパラガスで、鉢植えにしました。
茎もしっかり伸びてきました。
あんどん仕立ての支柱も、しっかり役立っています。
今年、株を元気に育てれば、来年から収穫できるでしょう。
<アスパラガス:成長期>
だんだん、草丈が伸びてきました。
風や雨で倒れないように、ヒモを高くして支えます。
株もとには、近所のお蕎麦やさんからいただいた蕎麦殻を敷いています。
<アスパラガス:夏>
草丈が160cm程度に成長しています。
収穫は、来年から行い、今年も(2年目)株の充実に専念します。
夏の時期、株元の除草を行います。
それから、中耕し、土壌表面を柔らかくしてから、追肥と土寄せを施します。
追肥は、成育中、化成肥料などを1回一握り(約50g)程度、少量ずつ5回ほど行います。
追肥のタイミングは、春に芽が出る1ヵ月前、夏季(3年目からの収穫終了1週間前)、冬季(茎葉の焼却後)に、行います。
また、収穫を終えてから、堆肥を1㎡あたり約3kg施し、来年の芽吹きに備えます。
アスパラガスの栽培は、冷涼な気候を好み、暖地での栽培では、病害が多発します。
成長にともなって、過繁茂となり、茎葉内が多湿になると、茎枯病や斑点病が発生します。
以下、その対策をまとめます。
作業名 | 作業の目的と方法 |
---|---|
定植場所の選定 | 過湿地は避け、排水性の良い場所を選ぶ。 |
切り戻し剪定 | 倒状が心配される場合は、茎が80~90cmになったころ、先端を切る。2~3回繰り返し、最終の高さを120cm程度に保つ。 |
間引き剪定 | 下部に密集した茎葉や、斜傾枝を除去する。 |
支柱立て | 支柱を立て、キュウリネットや麻ひもを張り、倒状を防ぐ。 |
マルチング | 株元の土はねを防ぐために、敷きワラやポリマルチをする。 |
刈取・焼却 | 12月に茎葉を刈り取る。これを刈取った畑で焼却し、病原菌を殺菌する。 |
茎数の整理 | 1株15本程度残して、倒状した茎などを抜き取る。また、株元を麻ひもなどで束ねる。 |
(薬剤散布) | ・収穫刈取後、9月にベンレート水和剤2000倍を株元に散布する。
・ダコニール水和剤600~800倍液を9月(秋雨期)に1週間おきに3回散布する。 |
* 薬剤散布について・・・参考程度に記載しました。
家庭菜園(当ブログも含む)においては、
無農薬・有機肥料栽培を目指します。
草丈170cmに育ったアスパラガスの株元から、新しい太い芽が、次々と出てきました。
だんだん、芽も太くなってきました。
4~5本収穫したいところですが、種をまいてから、まだ2年目の株ですので我慢します。
<鉢植えのアスパラガス>
植木鉢のアスパラガス
いつの間にか、あんどん仕立て用の支柱から、はみ出してしまったアスパラガスです。
このような場合は、ていねいに支柱を鉢から抜きます。
そして、アスパラガスの茎をひもで束ね、再び、支柱をかぶせ固定しましょう。
<冬の作業>
9月になると、同化作用によって作られた養分が、貯蔵根に蓄えはじめます。
秋になって、霜が降り始めると、写真のように葉の黄化が進んできます。
葉が完全に黄変したころ、最も深い休眠期に入ります。
休眠期に入ったころ、地際から茎を刈り取り、植えた場所の外に出し処分しますが、
焼却できれば最善です。
刈り取った茎葉には、「茎枯れ病」や「斑点病」など、アスパラガスに発生しやすい病原菌が、茎葉の中で越冬し、翌年に発症してしまいます。
カマキリの卵が産み付けられていました。
卵はそっと庭のすみに置いてあげました。
茎葉を刈り取った後は、できれば園芸用のバーナーなどで、地表をかるくあぶっておくと安心です。
刈り取った枝葉の病原菌をバーナーで処理します。
更に、堆肥やモミガラ、油かすなどを施し、アスパラガスの株元を埋めるようにしておくと良いでしょう。
寒さが厳しい地域ほど、盛り上げる土を多くして、
根株の防寒に努めます。
越冬後、3月初旬に、根株に寄せた土を戻し、萌芽を促進させます。(土を少し取り除く)
土を戻す際に、有機化成肥料や配合肥料などを1株あたり、かるく一握り(約40g)ずつ施します。
今年(種まき後:3年)の春から、本格的に、収穫ができるようになります。
<アスパラガスの萌芽>
株元から、元気な芽が出始めました。
この時期から、どんどん芽が出てきます。
大きくなりすぎないうちに収穫しましょう。
収穫の目安は、あらかじめ用意しておいたスケール以上に伸びたものを収穫し、余分な根本部分をカットすれば長さがそろいます。
4年目のアスパラガスの芽です。
地中の株も充実し、太くてしっかりした芽が出てきました。
収穫しても、後からどんどん出てくるアスパラガス。
中には、穂先が曲っているものもありますが、(芽が出る時に、雨や水にあたると曲る性質があるようです)とりたては、とても甘くて柔らかです。
初めての収穫は3年目からでしたね。
他の野菜を育てる合間をみて、アスパラガスの種をまいて、気長に育てると、充分な成果が得られます。
これから先、数年は簡単な作業のみで、毎年、収穫が楽しめるでしょう。
(2022.4.13)
収穫が間に合わず、どんどん伸びてしまったアスパラガスの芽です。
3年前に、たった一袋のアスパラガスの種が、今では、庭の4区面を占領しています。
うれしい悲鳴とも言えますが、短い芽を収穫して、あとは成長させて、株の充実に努めます。
収穫は続いていますが、細い芽や収穫が遅れた芽は、
そのまま伸します。
2年目の春と同様に、支柱を立てます。
ジュートひもを張って、株の倒状を防ぎます。
ベランダ栽培用に育てた鉢植えのアスパラガスも、芽を出し始めました。
鉢植えでも、2~3鉢もあれば十分楽しめますよ。
絵手紙作品集をご用意しております。
「絵手紙」作品集「自然いっぱいコーナー」をよろしかったら御覧ください。
<6月のアスパラガス>
草丈は、2mを超える株もあります。
今まで、たくさんの新芽を収穫してきましたが、6月には春の収穫を終え、株の成長を促します。
そして、梅雨の晴れ間に株元の除草を行います。
アスパラガスの株元には、4年目よmなると、シソが生えてきたり・・・。
思いも寄らず、アサガオやキュウリなどの「こぼれ種」が発芽して、にぎやかになってきました。
移植して、別の場所で育てるのも楽しいですよ。
除草中に、何本か収穫しました。
露地栽培は、ハウス栽培と異なって、雨水などの影響で、芽先が曲ることが多いようです。
しかし、採りたてのアスパラガスはとても甘味があって、最高の食感が楽しめますよ。
【アスパラガスの育て方:読者からの質問に答えて】
「細い芽は、どうする?」
A 太い芽は収穫し、細い芽はそのまま大きく育て、株に元気を与えましょう。
長年にわたり栽培するため、肥料が不足している場合もありますので、株元から少し離れた場所に肥料を与えるとよいでしょう。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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