春や秋になると、家庭菜園では、野菜の苗を購入したり、
種をまいて育てたりと、いろいろありますね。
そして、実際に、苗を定植する際に思うことは、
ただ一つ、「元気に育ってほしい」の一言でしょう。
今回は、そんな願いを込めて、
トウモロコシの定植方法について、
ポイントを押さえた解説をします。
皆さんも、手軽にできる家庭菜園の楽しみを
御一緒に味わいましょう。
子どもたちといっしょに、38年間、自然観察や
農園芸などの環境教育活動に携わってきました。
本稿では農家の知識と技術を家庭菜園向きに応用し
基本的な「野菜の育て方」について解説いたします。
【クイズ】 次のうち、野菜はどれでしょう?
● 小麦
● トウモロコシ
● ジャガイモ
● 米
* 正解は、最後のページを御覧ください。
目 次
【トウモロコシの育て方】
<トウモロコシの種について>
最近、人気急上昇中のホワイトコーン2種を選びました。
ホワイト 「味来(みらい)」 株式会社 アタリヤ農園
品種名 | 味来(みらい) |
---|---|
発芽適温 | 地温 18℃~20℃以上 |
発芽日数 | 10日 |
収穫の目安 | 雄しべ50%開花後、25日頃 |
生産地 | チリ |
「極甘の白い味来、誕生。とってもあま~い。
レンジで3分で調理OK!!
栽培環境や成育条件にもよりますが、
糖度は、18としています。

☆ 甘味抜群のホワイトコーン ☆
「スーパーホワイトコーン」 株式会社 トーホク
品種名 | 一代交配 スーパーホワイトコーン |
---|---|
発芽適温 | 25~30℃ |
発芽率 | 75%以上 |
内容量 | 22ml 約72粒 |
生育適温 | 20~30℃ |
生産地 | アメリカ |
特性
極めて甘い白粒のトウモロコシです。
しっきりとした食感で、茹でた後の
変色が少ない品種です。収穫してす
ぐゆでた味は最高です。周囲に黄粒
の品種があると、白粒に黄粒が混じ
ることがあります。

☆ 爽やかな甘さの高品種系 ☆
「早どり あま~いコーン SP」株式会社 トーホク
品種名 | 一代交配 早どり あま~いコーン SP |
---|---|
発芽適温 | 25~30℃ |
発芽率 | 75%以上 |
内容量 | 22ml 約53粒 |
生育適温 | 20~30℃ |
生産地 | アメリカ |
特性
タネまきから83日で400g位になる
バイカラー種です。倒状にも強く
先端まで実が着き、秀品率も安定し
ています。爽やかな甘さで直売所で
も人気の品種です。
* バイカラー種:黄色粒種と白色粒種の掛け合わせ。
黄色粒と白色粒が3対1の割合で結実します。
<種まき前の処理>

種をまく前に、活力液HB-101につけます。
活力液HB-101を付けることで、
発芽率が向上し、その後の苗の生長が
良好になることを実感しています。
* 種によっては、水につけなくてもよく発芽します。
● HB-101の使用方法
希釈倍率 | 千倍~十万倍 1Lに。1~2滴 |
---|---|
希釈液につける時間 | 果菜類:12時間 |

<トウモロコシの種まき>

2号のポリポットに培養土を入れ、
種をまきました。
発芽率が良いことと、HB-101の処理を
施しているため、安心して1粒ずつまきました。
品種の異なる種(実の色)は、まく時期をずらし、
同時期の開花による交配を防ぎましょう。
<トウモロコシの発芽>
発芽したトウモロコシ

【トウモロコシ:定植場所の準備】
肥料、輪作の方法などの基礎資料は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!
こちらを御覧ください。
<土壌>
排水の良い環境を好みます。
少し、砂めがかった土壌が適しています。
<輪作>
一度栽培したら、2~3年間は、
同じ場所を避けましょう。
<施肥(/㎡)>
元妃:苦土石灰80g、有機化成肥料100g
<定植日までの準備>
苦土石灰を前面に散布してから、耕しておきます。
定植7日前に、元妃を施し耕し、整地します。
<畝(うね)づくり>
畝幅70~100cm、株間30cm、条間40cm程度。
トウモロコシは、1列に長く植えるよりも、
複数列にして、コンパクトに植えましょう。
トウモロコシは、受粉しやすい環境で栽培します。
1列で長く植えるよりも、列を増やし、お互いの花粉が
付きやすくすると、実の入りが整います。
【トウモロコシの定植】

トウモロコシの発芽は、庭に直まきしても
ダイコンなどとは異なり、イネ科特有の子葉、
いわゆる、カイワレではありません。
そのため、鳥による食害は少ないですが、
ハトなどに、種そのものが発見されてしまうと、
きれいに、ほじられて丸ごと食べられてしまいます。
その対策としては、種をまいた真上に、
水糸(釣り糸など)をピンと張っておき、
鳥が近寄らないようにします。
ポットに種をまいた場合は、本葉2枚で定植します。

1回目に定植したトウモロコシの草丈は、
すでに約60cmになっています。

2回目に定植したトウモロコシの草丈は、
約45cmになっています。

1回目と2回目に定植した苗はホワイト種で、
3回目に定植した苗は、バイカラー種です。
3回目に定植したトウモロコシの草丈は、
20~30cmです。
【トウモロコシ:定植後の管理】

<土寄せ>

定植後、降雨と日当たりの繰り返しによって、
土の表面が次第に硬化してきます。
土面の硬化を防ぐために、敷きワラをすると効果的ですが、
なかなか手に入りません。
そこで、当園では、株元に堆肥を薄く施し、
土の硬化を防いでいます。
苗の生長を見ながら、株元に土寄せを行い、
倒状を防ぎます。
草丈30cmころに、追肥とともに行うとよでしょう。
また、成長にともない、株元から「分けつ」による
複数の葉が出てくる場合があります。
その際は、除去せず、株もとに土を寄せていきます。

こうすることで、倒状を防ぐとともに、葉の数が増え、
その分、光合成が促されます。
さらに、雄花も出てくれば、受粉にも効果的です。
<追肥>
本葉が5枚程度になったら、1回目の追肥を施します。
この時、土寄せと一緒に行うと、肥効性が高まります。
2回目の追肥は、葉の先端に雄花が出て数日後、
葉の付け根の雌花から絹糸が出たころに施します。
肥料は、一株に対して、化成肥料を軽く一振り、
約40g程度でよいでしょう。
<開花>

先端に雄花が開花しました。

雄花の下方についた雌花です。
雌花のヒゲは、一粒ずつの実とつながっていますので、
雄花の花粉が充分に付かないと、
結実がまばらになってしまいます。
そのため、トウモロコシは混植し受粉を促します。
<除房(摘穂)>

葉の付け根からは、いくつかの雌穂が出てきます。
そのうち、育ちの良好な雌穂1本だけを残します。
この良好な雌穂は、一番上の「第一雌穂」であることが多く、
次いで、その下の「第二雌穂」~「第三雌穂」となります。
一番上の「第一雌穂」を残す場合は、
上から2番目の雌穂の絹糸が出たころ、他を摘房します。

摘房が遅れてしまい、25cmほどに
成長してしまった摘穂もありました。
小さな実は、ヤングコーンとしていただきましょう。
(スイートコーン:野菜に分類されています)

オリジナル「絵手紙」作品集を御用意しています。
よろしかったら、
を御覧ください。
<実入りのポイント>
実が入らないトウモロコシになってしまうことが、
多々あります。
これは、シイナ(不稔)と呼ばれており、
その原因は、次のとおりです。
① 水不足
② 受粉の不良
① 収穫前10日~25日ころの乾燥による水不足は、
シイナが多発してしまいます。
シイナが多くなるのは、高温乾燥によって、
葉からの蒸散作用が吸水量より多くなり、
果実の水分が奪取されてしまうからです。
② 受粉できなかった先端部がシイナになります。
対策としては、苗をコンパクトに植えたり、
株元から出る「分けつ」を生かしたりして、
それに雄花を咲かせるなどで対処します。
<虫害>
収穫期が高温期になるほど、虫害が多くなります。
その対策には、許す限り早まきすることです。
また、品種によって、早生種と晩生種がありますので、
家庭菜園では、早めに苗を購入するか、
早生種を利用するとよいでしょう。
【トウモロコシの収穫】


小ぶりの実ですが、皮をむいてみると、
結構いい感じでした。
採りたてのトウモロコシは、とにかく甘いです。
早めにお召し上がりくださいね。
正解:ジャガイモ
* 野菜とは、「生や簡単な調理で食べられる一年生の草本植物」
* 「穀物」・・・米(イネ)、小麦、トウモロコシ
* 「雑穀」・・・ヒエ、アワ、キビ、コウリャンなど。
最後まで御覧いただき、ありがとうございました。
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