栽培・飼育活動

家庭菜園 初心者おすすめ!【パクチー】の育て方

パクチーの種袋の写真です。

何とも言えない香りのパクチー(コリアンダー)は、
特に、若い世代に人気があるようです。

「大好きなパクチーを育てて、たくさん食べたい!、
でも、どうやって栽培するの?」

という貴方といっしょに、
パクチーの種まきから収穫までの作業を
リアルタイムで実践し、発信します。

残念ですが、筆者は香りが気になって食べられません。

なんと、和名は、「カメムシ草!」

納得のいく命名だと思います。(ごめんなさい)

しかし、パクチニストである筆者の娘のために、
いままで頑張って育ててきました。

市販の苗を購入される方は、
<苗の定植>から御覧いただければ幸いです)

野菜の栽培は、ネットで調べたり、本を読んだりしても、
なかなか分からないことも多いですよね。

そこで、本稿は、
栽培しながら生じる疑問や質問などについて、
みんなで解決する場になることを目指します。

そして、あなたも、収穫の喜びを実感することに
なるはずです。

さあ、自由研究の感覚で、楽しく、気楽に、
チャレンジしてみましょうね。

【パクチー(コリアンダー)の種】

<アタリヤの種>

パクチーの種袋の写真です。パクチーの種袋

✩ 独自の香りの葉で人気のハーブ ✩

 [品種名] :話題の健康野菜
        爽やかな パクチー

 アタリヤ

[科・属名]:セリ科 コエンドロ属
[原産地] :南ヨーロッパ
[生産地] :タイ

特 徴
 地中海沿岸から西アジアが原産のセリ科の
1~2年草です。東南アジア料理には欠かせな
いもので、オレンジに似た芳香のある若葉を
利用します。

<パクチー(コリアンダー)の特性>

まき時:暖かい地域 春:3~6月上旬
秋:9~11上旬
  :寒い地域 春:4~6月中旬
秋:不向き
収穫の目安 葉は、やわらかいうちに収穫し、生で利用するか、乾燥させてから保存します。種は茶色に色づきはじめたら切り取り、乾燥・追熟します。
数量 12ml
発芽での日数 約10日
発芽適温(地温) 20~25℃
パクチーの種の写真です。パクチーの種

パクチーの種は、1粒の中に2つの種が合体しています。

種を割ってみると、栗のような形状の種が
2つ出てきます。 

<トーホクの種>

パクチーの種袋の写真です。パクチーの種袋

✩ 世界の野菜 ✩

 [品種名] :パクチー
 【品種番号】:07743       

 株式会社 トーホク

[科・属名]:セリ科 コエンドロ属
[原産地] :南ヨーロッパ
[生産地] :イタリア

特 性
 東南アジアをはじめ世界中で広く使われる
セリ科も野菜です。エスニック料理はもとより
お菓子やカレーの材料に、また茎葉はもちろん
根や種も利用されています。

<パクチー(コリアンダー)の特性>

春巻き 3月下旬~5月
収穫期 6月~10月
秋まき 9月~10月
収穫期 10月~11月
発芽適温 20~30℃
  生育適温 15~30℃
種の処理 種は硬い殻の中にあるので、割り箸などを使って軽く押しつぶし、半分に割ってからまくと発芽がよくなります。
数量 6ml
発芽率 60%以上
まき方 ポット 直まき
* 他の野菜に比べて、発芽率が低いようです。
パクチーの種の写真です。パクチーの種(球状:割る前)

 

パクチーの種を割った写真です。種を割ったパクチー(半円形

種を割り箸などで上から押さえると、
プチッと音がして2つに分かれます。

1粒に2つの種が入っていました

【パクチー(コリアンダー)栽培場所の準備】

パクチーは夏場、木漏れ日程度の日当たりと、
水はけの良い場所を好みます。

直根性のため、移植によるダメージに注意します。
鉢植えの場合は、深さ20cm以上を要します。

パクチーは、真夏の管理に少しの配慮が必要です。

庭で栽培する場合は、白の寒冷紗で遮光します。

また、鉢植えやプランターで栽培する場合は、
真夏の直射日光を避けることから、
適当なところへ移動するようにしましょう。 

● 定植場所の準備:定植2周間以上前

場所 肥料等  分 量  備 考
全面
1㎡
苦土石灰 2振り よく耕す
堆肥 バケツ
2杯
石灰をまいて1週間後
よく耕す
化成肥料 2握り よく耕す

* 1振り:約40g 1握り:約50g
バケツ1:約1kg

● コンテナの準備:定植1間前
容器:一株5号、4株で5L、それ以上は10L
(号数:1号=直径3cm)

用 土 備  考
赤玉土:5
腐葉土:3
堆肥:1
バーミキュライト:1
市販のハーブ培養土の使用可能

* 用土は、よく混ぜ合わせておきましょう。

連作障害と輪作栽培の方法は、
渡良瀬橋ブログ「資料集」自然いっぱいコーナー!
1 ⑷ <輪作栽培>(例)を御覧ください。

【パクチー(コリアンダー)の種まき】 

<種まきの準備>

<種の詰め替え>

乾燥剤を入れた袋に種を詰め替える写真です。
乾燥剤を入れた袋に種を詰め替える
種をパッケージから取り出し、乾燥剤を入れた
密閉できる袋に移しかえます。

(乾燥剤は、サプリメントなどに入っていたものを
捨てずにとっておくと再利用できます)

種を移しかえることで、
1回目にまく種の数が把握できます。

パクチーの種は、1粒に2つの種が合体しているので、
あらかじめ、2分割しておきましょう。

また、種まき時期をずらし、種まき適期内で、
3~4回に分けて播種はしゅすると、
長い期間収穫することができます。

また、1回目の発芽に失敗したときのためにも、
一度に全量をまくことは、おすすめしません。

特に、ゴーヤ、オクラなどの高温を好む野菜は、
発芽温度に注意を要します。

そして、余った種は、乾燥剤入りの密閉できる袋に
保管することで、発芽率は劣りますが、
次年度にまくことも可能です。

<種の前処理>

活力液をつけた種の写真です。
活力液をつけた種
パクチーの種を2分割し、種をまく3時間前に、
活力液(HB-101)に浸します。

希釈:千倍~十万倍(1ℓの水に、1~2滴。

筆者が活力剤と言わない理由は、以下のとおりです。

HB-101は、杉、檜、オオバコの抽出液100%であり、
それ以外の原材料が一切使わず、化学処理もしていない
天然の成分だからです。

✩ 森林浴をしているようないい香り ✩

私は30数年、HB-101を野菜栽培やガーデニングの
あらゆる場面において愛用しています。

● 種、根、挿木をうすめた液につけます。

分類 種、根、挿木を浸ける時間
豆類 10秒
葉菜類 3時間
花、果菜類 12時間
米の種もみ 12時間以上
根、挿木 1分~12時間
球根類、種いも 1分~30分

最初は、ネーミングからして、
なんだか化学薬品のように思えましたが、
天然100%でした。

しかし、分量に対して値段が高く感じられるのが
デメリットです。

とは言え、植物がとても元気になることはもとより、
希釈倍率が高いことからも、たいへんお得な製品です。

「困った時のHB-101頼み!」

私は、いろいろな局面で助けられています。

<苗床の準備>

ビニールをかけた苗床の写真です。ビニールをかけた苗床

日当たりの良い、庭の片隅に苗床を
準備します。

以下に、苗床をつくる作業をまとめます。

手順 作業内容 備 考
1 苗床の場所を決める。 日当たりと、排水のの良いところ。
2 草や大きな石を拾う。 苗箱が置けるように。
3 排水を良くするため、かるく耕す。 表面の釣をスコップなどでほぐす。(石を拾う)
4 地面が平らになるように整地する。 レーキや板などを使い、土の表面をならす。
5 支柱を立てる。 弾力性のある支柱をアーチ状に立てる。
6 ビニールをかける。 発芽の適温が十分でない場合は、ビニールをかける。

寒冷地は、さらにその上から、コモをかける。

気温が高くなってきたら、白の寒冷紗をかける。

* 苗床の表面に、アラヌカやソバガラを敷くと、
さらに排水性がよくなります。

* コモは、不要になった毛布などを再利用します。

< 昼夜の温度管理が大切です>
● 日中はコモを外します。
● 苗床を換気するため、ビニールの裾を少し開けます。
● 夕方になったら、ビニールの裾を閉じ、
  コモをかけます。

 <種まきポットの準備>

培養土を入れたポットの写真です。培養土を入れたポット

3号(直径9cm)のポリポットに、
用土を入れます。

理想的な土は、無肥料の「種まき専用土」です。

なお、ホームセンターでよく見かける培養土に
種をまいても、今まで支障はありませんでした。

連結ポットの写真です。連結ポット

連結ポットを用いると、用土の無駄がなく
場所もとりません。

また、初期成育における土の容積と発根量の
バランスが良く、幼苗の成長に適しています。

苗の生長とともに、できれば連結ポットから
ポリポットに移植して育苗すると、理想的な
苗が得られます。

パクチーは、連結ポットにまきました。

<種まきの方法>

パクチーの種をまいた連結ポットの写真です。パクチーの種をまいた連結ポット

できれば、野菜の種類ごとに、
色の異なる連結ポットを使用すると便利です。

まず、ポットに用土を入れ(すりきり)、
両手を広げ、表面の土をパタパタと押さえます。

ポット内の土が、足らないところに用土を補充します。

用土を適度に圧縮し、各ポットの8分目程度にします。

ポット内の土を圧縮すると、苗の根張りがしっかりと
充実します。 

ポットの中央に、指で穴を開け(第一関節程度)、
種を落とします。

まく種の数は、とりたい苗の数と発芽率を参考にします。

1つのポットに種を複数まくと、発芽後、苗同士が互いに
競い合い、結果として成育が促進されます。

後に、最も元気な苗を残して、間引きします。

種の上にかける土の量は、ニンジンなどの好光性の野菜を除き、
種の大きさ(種の厚み)の2.5~3倍程度とします。

【パクチー(コリアンダー)苗床の管理】

<苗床にポットを移す>

苗床に入れた連結ポットの写真です。苗床に入れた連結ポット

種まきを終えた連結ポットを
野菜の種類毎トレイに入れ、苗床へ移します。

ここでは、連結ポットの変形防止を目的として
トレイを使用しています。

トレイは、水やりの際、
底面に水がたまらないものを選びましょう。

また、ポットに野菜のネームプレートを立てておくと
定植の際に便利です。

<苗床のビニールを下ろす>

ビニールで覆った苗床の写真です。ビニールで覆った苗床

日中の天候によって、苗床内の温度、湿度、換気を
調節します。

なお、苗床のビニールが新品の場合、
苗の日焼けに注意が必要です。

日焼けの心配がある場合は、ビニールの上を
白の寒冷紗で覆ってやるといいでしょう。

また、ビニールが強風で飛ばされないよう、
ビニールの裾を石などの重しで固定します。

さらに、ビニールの裾を開閉する際に、
強めの洗濯バサミ等を支柱に挟んでおくと、
裾を任意の場所で固定できるため便利です。

クリップで止めたビニールの裾の写真です。クリップで止めたビニールの裾

<苗床に、コモをかける>

苗床にかけたコモの写真です。苗床にかけたコモ

コモの代わりとして、不要になった毛布をかけました。

野菜の種まき後は、発芽温度に注意します。

できるだけ適温に近づけるようにし、
発芽の遅れによる種の腐敗を避けるように
心がけましょう。

【パクチー(コリアンダー)発芽のようす】

パクチーの発芽の写真です。パクチーの発芽

温度不足のためか、発芽が想ったよりも良くありません。
このままようすをみることにしましょう。

【パクチー(コリアンダー)の移植】

移植した【パクチー(コリアンダー)の写真です。移植した【パクチー(コリアンダー)

パクチーは、発芽後、長い根を深く伸します。

なるべく、小さいうちにポットに移します。

根づいたら、水やりの代わりに液体肥料を与え、
育苗します。(希釈は、各液体肥料の表示によります)

パクチーの苗の写真です。少しずつ成長するパクチー

本葉が5~6枚になったら、目的の場所に定植します。

【パクチー(コリアンダー)の定植】

パクチーの苗の写真です。パクチーの苗

気温の上昇にともない、ようやく元気になってきました。

苗はまだ不揃いですが、定植することにしました。

<定植場所の準備>

パクチーを定植する位置に並べた写真です。定植する位置に並べたパクチーの苗

定植する2周間前くらい前までに
苦土石灰(100g/㎡)を施し、
ウネ全体に少量の化成肥料と腐葉土をまいてよく耕します。

苗の数が多く2列植えにする場合は、幅90cm。
高さ10cmほどのウネを立てます。

条間は25~30cm、株間10~20cmに植えつけます。

<定植する位置に穴を掘り、水溶液を注ぐ>

定植位置に穴を掘った写真です。定植位置に穴を掘る

球根植え器などを利用して、植え穴を掘ります。

植え穴に水溶液を注いだ写真です。水溶液を注いだ植え穴

植え穴に、液体肥料やHB-101の希釈液を注ぎます。
濃度は、いずれも1000倍程度でよいでしょう。

<パクチーの苗を植える>

定植したパクチーの写真です。A定植したパクチー

根鉢を崩さないように定植しましょう。

苗をポットから取り出す前に、水やりしておくと
根鉢が崩れにくくなります。

<生育期の追肥>

生育期は月に1回の割合で、液体肥料や
有機固形肥料などを追肥しましょう。

【パクチー(コリアンダー)の収穫】

収穫期を迎えたパクチーの写真です。収穫期を迎えたパクチー(7月18日)

パクチーは、他の野菜に比べて少しデリケート ?
なんでしょうか。

発芽率は60%と低く、定植後の成長もまばらです。

定植後、大きい株は草丈50cm、小さい株は20cmに
なってきました。

収穫したパクチーの写真です。収穫したパクチー(7月25日)

収穫は、草丈が20cmくらいになったら、
やわらかく若い茎葉を順次収穫していきましょう。

また、乾燥させて保存することもできます。

種子は茶色に色づきはじめたら切り取り、
乾燥・追熟させます。

パクチー(コリアンダー)の花の写真です。パクチー(コリアンダー)の花(2022.8.15)

可愛い花がたくさん咲きました。

みなさんのパクチーは、いかがだったでしょうか。

なお、記事に対する御感想や、御意見、御質問が
ございましたら、コメントいただければ幸いです。
(送信は、ニックネームのみでも可能になっております)

最後まで御覧いただき、ありがとうございました。

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